医者選びも運次第
田口ランディさんの「身体のこと、治療のこと、礼節のこと。」を読んで
http://blog.ameba.jp/randy/archives/000362.html
次の部分
かなりいろんな治療者の方にかかってみた。皆、それぞれに個性的で、自分の治療ポリシーのようなものをもっていらした。ただ……、身体のことというのは、ある時間が経過しないとそれがほんとうに自分の身体に適している療法なのかどうなのかわからないのが現実で、ほんとうに自分を使った人体実験のような側面があるのだ。
彼女の東洋医療遍歴の話であるが、精神医療でも同じようなことが言えそうな気がする。精神科医の得意な精神療法もいろいろあるらしいが、薬の使い方もいろいろらしく、ある程度時間が経たないとその治療法が適しているかどうか分からないらしい。
野村総一郎さんの「『心の悩み』の精神医学」(PHP新書)の終章に「良い精神科医の判別法」という節があり、その中に「ドクターショッピングは三回まで」という項があり、次のように書かれている。
次々と違う医者を巡る行為をドクターショッピングと呼び、一般には正しくないこととされている。つまり医者との信頼関係を樹立しにくい困った患者ということなのだ。しかし、はたしてそう言い切れるのだろうか。日本の精神科医の全てが立派な優れた医者ではない。これは覆い隠せない事実である。患者の方も医者を選ばねばならない。
(中略)
私の個人的見解では、大まかに言って日本の精神科医の三分の一は信頼に足る非常に優れた医者である。とすると、確率的に言って三回くらいまで医者を替われば良い医者に巡り会えるのではないかと思われる。
確率的には三人目でも良い医者に巡り合えない確率は8/27(約3割)もあるのだが、それは良いとして、野村さんの主張だと精神科医の三分の二は「信頼に足る非常優れた医者」ではない可能性がある。「信頼できない」とか「ダメな医者」とか言っているわけではないが、他の精神科医でもっと厳しいことを言っていた人がいたような気がする。野村さんもオブラートに包んで言っているような気がするが思い過ごしだろうか。私は「まともな精神科医は三人に一人しかいない」と解釈した。まともな精神科医でも治療法によって患者に合う場合と合わない場合があるだろう。同じ医者で患者が治療法を選べれば良いが、それができない医者に巡り合ってしまった場合は医者を変えるしかない。変えた医者が自分に合うとも限らず、運次第だろう。また、治療の効果が表れるまで時間がかかるから厄介である。効果が表れる前に医者を変えてしまったら、前の医者が優れていたのに別れた可能性がある。だからといって効果の無い治療法を長く続けるのもしんどいだろう。難しい問題である。田口ランディさんが自分の東洋医療遍歴について「自分を使った人体実験のような側面」と表現しているが、今の精神医療も似たような状態なのかもしれない。
こんなことを書いているが「医師の治療を受けない方が良い」と言いたいわけではない。話を聞く限りでは、神経症の範疇や人格障害の範疇の病気に関しては分からないが、うつ病や統合失調症の場合は薬(ただし適切な薬)を飲んだ方が圧倒的に楽なようである。誤解なさらぬよう……。
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