ゲーム脳?
『テレビゲームの影響、都が本格研究へ』(TBS、2005/3/16)を見て
次の部分
テレビゲームで長時間遊ぶと、脳の一部が活性化されないいわゆる「ゲーム脳」に なるという学説が 一部で発表されており、
ゲーム脳を研究している人たちは予算がついて万々歳かな。ニュースを見て呆れた。TBS「ニュースの森」(2005/3/16)は「ゲーム脳」の考え方に好意的な印象だった。情けない…。私は「公的」なお金を使って研究すべきことではないと思う。税金の無駄遣いだと思う。
Googleを使って「ゲーム脳」を検索したら、次のサイト内の記事がトップに表示された。
「ゲーム脳」関連記事のカテゴリーも用意されているようである。
【「ゲーム脳」関連記事 - [ゲーム業界ニュース]All About(1/4)】
次のようなページもあった。
【「ゲーム脳」関連記事こちらから - [ゲーム業界ニュース]All About】
『森氏発言:ゲームで自閉症になる』の記事はこちらにしかないようである。「日本自閉症協会東京都支部」はこの森氏の発言を批判しているようである。
さて、精神科医ではなく神経科学者はどのように見ているのだろうか。私が読んだ本の著者では伊藤正男さんや久保田競さんからならまともな意見が聞けそうである。説明が上手かどうかは分からないが…。でも、まともな神経科学者が何度「ゲーム脳」の考え方を批判してもマスコミは面白みのある「ゲーム脳」の考え方を報道し続けるのだろう。
追記(2005/3/21):
「ゲーム脳」に関する次のようなニュースがあった。
【子どもとテレビゲーム:番外編 子どもの生活様式、見直すべきだ】(毎日新聞、2005/3/17)
そこからリンクを張られている以前の記事に次のように書かれている。
「ゲーム脳」とは、森教授の造語で、テレビゲームなどのしすぎで、大脳の前頭前野の機能が低下することをいう。前頭前野は行動の抑制や、感情の制御などの精神活動を担い、人間の個性を決める場所といわれる。ゲーム脳になると、「キレやすい」「集中できない」「表情が乏しい」などの状態が顕著になるという。
森教授が02年に「ゲーム脳」という言葉を発表すると、大きな反響を呼んだ。寝屋川事件について、森教授はゲーム脳の可能性を指摘する。
もっとも前頭前野の低下はテレビゲームに限らず、同じことを単純に繰り返すような場面でもみられる。森教授の脳波の測定法などに批判的な意見もある。
以上、
『子どもとテレビゲーム:/上 うちの子は「ゲーム脳」ですか?』(毎日新聞、2005/3/5)より引用した
http://www.mainichi-msn.co.jp/it/game/news/20050305org00m300001000c.html
『もっとも』以下の部分が重要。詳細に説明するのは面倒なので省略するが、前頭前野は使う必要が無くなれば使われなくなる。脳が「学習」した成果である。ある意味、好ましいことである。同じことを繰り返すのに、いちいち前頭前野を働かせていたら疲れてしまう。慣れたゲームの最中は前頭前野が休んでいるのである。ゲームの最中に前頭前野が働いていないからといって前頭前野の機能が低下したとは限らない。思考が必要な場合など他の時に前頭前野を働かせれば良いだけの話である。
ところで、以前、伊藤正男さんの「脳の不思議」(岩波科学ライブラリー58)を参考にして、「脳」が全体としてどのように働いているかを表す図を作った。次のようになる。
この図を見ながら脳の働きを考えるとスッキリする。
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