学力改善の原因は?
『学力テスト:「好成績」戸惑う文科省 なぜ、上向いたのか』(毎日新聞、2005/4/23)を読んで
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/news/20050423k0000m040160000c.html
次の部分
事前には「学力低下傾向の流れは変わらない」との見方が支配的だった今回のテスト。本来喜ぶべき結果を前に慎重な言い回しに終始する官僚が多い背景には、既に走り出している路線と矛盾しかねないという事情がある。
矛盾しかねないので、中山成彬文科相は次のように述べているようである。
『学力改善 文科相「脱ゆとりで成果」 小5−中3の全国テスト』(産経新聞、2005/4/22)より
http://www.sankei.co.jp/news/050422/sha067.htm
中山成彬文科相は会見で「学力低下に若干の歯止めがかかった。ゆとり(路線)ではいけないと軌道修正してきた結果だ」とし、脱ゆとり方針の維持を表明した。
学力の上昇(低下の歯止め)は「ゆとり教育の成果」ではなく「ゆとり教育を修正した成果」と解釈したらしい。
このような調査結果は各自が自分に都合の良いように解釈する。政府だけでなくマスコミも同じである。どこを信用したら良いのだろうか?
ついでにもう一社の記事にもリンクを張っておく。
『学力改善兆し…「ゆとり」導入後初の全国一斉テスト』(読売新聞、2005/4/23)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20050422it14.htm
追記:
学力の上昇(低下の歯止め)を「ゆとり教育の成果」と考えるのは無理があるかもしれず、議論になっているのは「ゆとり教育で学力が低下したのかどうか」だろうから、誤解を招く表現は修正した。
現在の文科省の考えは「ゆとり教育で学力が低下した」だろう。その考えが間違いであるかのような結果が出たので、その結果を「ゆとり教育が学力で低下した」という結論に合うように解釈することになる。それが中山成彬文科相の発言だろう。
ちなみに「ゆとり教育」は02年度から実施されていて、前回の調査は01年度らしい。要するに「ゆとり教育」前の調査よりも「ゆとり教育」後の今回の調査の方が良い結果が出たので解釈が難しくなる。
私も自分で分析すれば良いのだが、面倒だし意味がなさそうなので省略する。
科学実験では、実験結果に影響しそうな他の要素を固定して一つの要素だけを変えて調べる。しかし、この調査結果は、調査まで現場ではいろいろなことが行われていて分析は難しい。
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