意見募集?質問募集?
『「障害者自立支援法に係る政省令で定める事項」(平成18年4月1日施行分)に関して寄せられた御意見について』を読んで
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=Pcm1010&KID=495050068
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=Pcm1040&btnDownload=yes&hdnSeqno=0000007595
厚生労働省による『「障害者自立支援法に係る政省令で定める事項」に関するご意見募集(パブリックコメント)』の募集結果である。意見募集のURLは次の通り。
http://www.mhlw.go.jp/public/bosyuu/iken/p1125-1.html
募集結果は「御意見」に対する「答」という形で公表されている。パブリックコメントというのは市民の意見を聞いて問題点を見つけて改善するものだと思っていたが、厚労省の「答」を読むと、改善するつもりはなくてこれまでに国会等で答弁した内容をまとめただけのように感じた。寄せられた意見に厚労省が「なるほど!」と頷けるような想定の範囲外の指摘がなくて意見の全てが想定の範囲内だったのか、意見募集は形だけで最初から聞く耳を用意していなかったのか、それは分からない。とにかく、新鮮味はなかった。
また、答になっていないように感じられる「答」が多かった。反論のつもりなのかもしれないが、反論になっていないように感じられる「答」が多かった。例えば次の「御意見」と「答」を見てみる。
1 支給決定の手続に関する事項
(御意見1)
○ 市町村審査会の委員として、地域のサービス利用について知識と経験がある者(障害当事者やその家族)が第三者メンバーとして加わることについて、通知ではなく政省令によって規定し、周知を図るべき。
(答)
○ 審査会の委員の任命については、市町村の自治事務であり、市町村の判断によって行われるものでありますが、国としては、障害保健福祉の学識経験を有する者であって、中立かつ公正な立場で審査が行える者であれば、障害者の実情に通じた者や障害者を委員に加えることが望ましいと考えており、国が自治体に対して行う技術的助言の一環として施行通知等により国の考え方をお示しすることとしています。
答になっているような、なっていないような…。「官僚答弁」という感じである。
「通知でなく政省令によって規定するべき」に対する反論は「〜なので政省令によって規定するのは不可能である」「〜なので政省令よりも通知の方が望ましい」になるのが普通だと思うが、それが明確に示されていない。法律の仕組みは分からないが、もしかしたら『審査会の委員の任命については、市町村の自治事務であり、市町村の判断によって行われるものであります』の部分が反論かもしれない。そうであると仮定して同じ趣旨のことを私が書くと次のようになる。
このような答だったら「通知ではなく政省令で規定するのは無理なんだな」と納得するかもしれない。
その上で、私が厚労省の意見に反論すると次のようになる。
さて、募集結果には他にも答になっていない「答」が多いような気がするが、それらの全てを答らしい「答」に変換するのは面倒なので省略する。気が向いたら変換して、その「答」に対する反論を書くだろうが、たぶん書かないだろう。先ずは、全く書いていない年賀状を書かなければ…。
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