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共謀罪を含む改悪組織犯罪処罰法は
【「共謀罪」法 衆参両院議員の投票行動(東京新聞 2017/6/16)】

変形三択問題

『「3囚人問題」と「のび太の三択」』(faireal.net)を読んで
http://www.faireal.net/articles/9/14/#d50301

 モンティ・ホール問題に囚われている。「三つの扉、三枚の封筒」「三囚人問題の図解」と私のブログに書いてきたのだが、いまだにウィキペディアの解説のような一般的な解説が正しいかどうかジレンマに陥ったままである。そんな状態で上記のサイトを読んだら、分かりやすく、ますます正しいように思えてきた。しかし上記のサイトの「まとめ」には次のように書いてある。

今回の説明は人によっては分かりにくかったかもしれません。 じつは、数学的には、今回の説明は、良くないのです。 この考え方では似たような別の問題での応用がきかないからです。

そして応用がきくような、本格的な理解の仕方も、じつは、そんなに難しくありません。 むしろ、そっちの説明をきいたほうが、さらにすっきりするかもしれないくらいです。 そして、本格的な考え方で取り組むと、3囚人問題に「問題としてあいまい」「ちょっと出題ミスみたい」な部分があることまで、 くっきり分かります。

それについては「変形3囚人問題」という話題と合わせて、問題を一般化しながら、次回以降にお話したいと思います。

 『数学的には、今回の説明は、良くないのです』とある。それで「変形三囚人問題」の説明を読もうとしたのだけど見つからなかった。仕方がないので「のび太の三択」問題を「変形三囚人問題」のように変えて考えてみる。選択の変更ができるので「変形モンティ・ホール問題」のように変えたと言った方が良いかもしれない。冒頭のサイトで紹介されている問題は次の通りである。

問題: 次の語句はどういう意味ですか。いちばん近いと思うものをA、B、Cの中から選びなさい。

春子さんがそんなことを言うなんてかたはらいたい

A. せつなくて、そばにいてあげたい気分だ。

B. 肩がこるうえ、笑い過ぎて腹筋が痛い。

C. とてもばかばかしく、あきれてしまう。

 恥ずかしながら私は広辞苑で調べるまでは正解が分からなかった。しかし、なんとなくCではないかと思っていた。どのくらいの確率かというとCが1/2、AとBが1/4くらいである。それは嘘であるが、ここではそのように設定して考える。このように、選択問題では全く分からないということはなくて「なんとなくこれが正解かな」と思うことがあるだろう。その状態でヒントをもらう。どれが正解だかまったく見当がつかなかったのび太は「BとCのどっちが間違ってるか教えてよ」と聞く。では「正解はCではないか」と見当がついている場合(Cが正答の確率は1/2、Aが1/4、Bが1/4)はどのように質問するだろうか。

(1)「BとCのどっちが間違ってるか教えてよ」
(2)「AとBのどっちが間違ってるか教えてよ」

 消去法で「間違っている」と思われるものを減らそうとして(2)の聞き方をする人がいるかもしれない。どうやら(1)のように聞いた方が良いらしい。(1)と(2)の違いを「考えることの科学」(市川伸一著、中公新書)で知った図を使って確認してみる。

 (1)の聞き方をした場合、「Bは間違ってるよ」というヒントがもらえるとCが正答である確率が4/5に増える。それに対し(2)の聞き方をした場合、「Bは間違ってるよ」というヒントをもらってもCが正答である確率は1/2のままである。(1)の質問をしてヒントをもらった方が安心できる。
 図からは次のことも分かる。
 (1)の聞き方をした場合、「Cは間違ってるよ」というヒントがもらえたらCが正答である確率は0である。AかBを選ばなければならない。Aが正答である確率は1/3でBが正答である確率は2/3だから、Bを選んだ方が良いことになる。それに対し(2)の聞き方をした場合、「Aは間違ってるよ」というヒントをもらってもCが正答である確率は1/2のままで、Bが正答である確率も1/2である。(1)の聞き方をした方が正解する確率が上がる。

 さて、モンティ・ホール問題の一般的な解説のどこに問題があるかだが、まだ分からない。引き続き考えたい。

追記:
 四択問題で考えてみた。

問題:2006年の敬老の日は何月何日か?

A:9月10日
B:9月11日
C:9月15日
D:9月18日

 今度はどれが正解か全く見当がつかないと仮定する。どのように質問してヒントをもらうだろうか? 次の2つを検討した。

(1)BとDのうち間違ってる答を教えてください。
(2)BとCとDのうち間違ってる答を教えてください。

 どの答が正解でも、間違っている答が複数あったら、間違っている答の中から同じ確率で間違っている答を教えると仮定する。
 「Bは間違ってるよ」という答が返ってきたときのDが正解である確率を求めるための図は次のようになる。

 (1)の質問をして「Bは間違ってるよ」という答が返ってきたら、Dが正解である確率は1/2になる。もともとは1/4だったから倍に増えた。(2)の質問をして「Bは間違ってるよ」という答が返ってきたら、Dが正解である確率は3/8である。もともとの確率1/4よりは増えたが(1)の1/2よりは小さい。(1)の質問の方が良いことになる。(1)の質問ではA、C、Dの選択肢が残り、それぞれの確率が1/4、1/4、1/2だから、上記の変形三択問題に変わる。さらに質問するときは「CとDのうち間違ってる答を教えてください」である。
 これに関しては少し自信がないので間違っていたら教えて下さい。

追記(2006/9/5):
 ウィキペディアの解説に次のような例題が載っている。

また、ドアが3個ではなく100個である場合を考えるとより直感的に分かりやすくなるだろう。プレイヤーが一つのドアを選んだのち、モンティは後ろにヤギのいる98個のドアを開ける。明らかに、モンティが開けなかったもう一つのドアに景品がある可能性が極めて高い(正確には 99/100)。

 ドアが100個の場合を図示するのは難しいので、4個の場合(ただし上の追記の例題)を図示すると次のようになる。

 Dが正解の確率は3/4である。
 選択肢が100個に増えた場合、「Aが○」の確率は1/100になる。扇の幅が1周の1/100になる。また、100個目の選択肢、図に合わせてDとするが、そのDの確率「Dが○」の確率も1/100(扇の幅が1周の1/100)になる。他の選択肢の確率も同じである。さて、A以外の99の選択肢のうち、D以外の98の選択肢が「×」だと教えてもらったとする。すると確率を計算する分母は「Aが○」の領域の1/99の部分(99の選択肢のどれを残すかか同じ確率だとする)と「Dが○」の領域だけになる。分子は「Dが○」の領域である。「Dが○」の領域は『「Aが○」の領域の1/99の部分』の99倍である。98個のドアが開けられた後の「Dが○」の確率は99/100である。図における扇の面積の比率から容易に答が分かる。
 この件に隠してもウィキペディアの解説の問題点が見つけられなかった。

追記(2006/9/5):
 図書館で「確率の理解を探る〜3囚人問題とその周辺〜」(市川伸一著、共立出版)を借りてパラパラと見てみた。「モンティ・ホールのジレンマ(3ドア問題)」は載っていたが、残念ながらウィキペディアの「モンティ・ホール問題」と同じ解放は載ってなさそう。だからその解放の問題点も解説されてなさそう。ウィキペディアの「モンティ・ホール問題」の解き方ではAが釈放される確率は1/4でCが釈放される確率は3/4になる。正解はAが釈放される確率は1/5でCが釈放される確率は4/5である。ちなみに、モンティ・ホール問題を巡る論争のきっかけになったIQ180らしいマリリン女史の解法は「内容的にはベイズ解に沿ったものであった」らしい。そして「数学パズルの解説者として有名なマーチン・ガードナー氏」が1992年に「マリリン女史の解答の妥当性を解説している」らしく、それで「いちおう落着した形になっている」らしい。マーチン・ガードナー氏の解説が見たくなった。

追記(2006/9/6):
 続きを書いた。→【三囚人問題と変形三囚人問題】


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