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共謀罪を含む改悪組織犯罪処罰法は
【「共謀罪」法 衆参両院議員の投票行動(東京新聞 2017/6/16)】

金の玉はどこだ!問題

『モンティ・ホール問題 - Wikipedia』を読んで

 このモンティ・ホール問題は、このサイトに載っている間違った?解き方でもベイズの定理を利用して解いても答が同じであることが欠点で、変形三囚人問題は、答が異なるけれど選択を変更できないことが欠点である。
 そこで、次のような問題を考えた。

 客席の皆さん。皆さんにプレゼントを用意しました。この金の玉です。重いですね。純金だそうです。お金(カネ)にしたらお幾らでしょうね。ごめんなさいね。相場が分からないので、お幾らか分かりません。でも、金の玉です。金です。ゴールドです。ゴールデンボール。金の玉です。金……、……。どうです? 欲しいでしょう? でも……、金の玉は一つしかありません。金の玉を手にするのは、お一人様だけです。しかも……、私とのゲームに勝った人だけです。
 挑戦される方? はい、そこの貴方。ステージにいらして下さい。なかなか賢そうなお顔ですね。手強そうです。お名前は? モンティさん。良いお名前です。ところでモンティさんはモンティ・ホール・ジレンマをご存じですか? えっ……、ご存じなんですか。嫌な客を呼んじゃいました。困りましたねぇ。でも負けません。このゲームはモンティ・ホール・ジレンマよりも難しいですよ。
 では、ゲームを始めます。
 ここに10個のカプセルがあります。中が見えませんね。開けてみますと……、御親切にクッションが入っています。この中にこの金の玉を入れます。他のカプセルと混ぜちゃいましょう。ガラガラガラ。もう一回、ガラガラガラ。さあ、どのカプセルに金の玉が入っているか分からなくなりました。
 ここに3個の箱も用意してあります。ここにさっきのカプセルを入れちゃいます。この箱には2個だけ。この箱には4個入れちゃいましょうね。残りの箱にも4個入れます。
 モンティさん、金の玉が入っていそうな箱を一つ選んで下さい。もしもその中に入っていたら金の玉は貴方の物です。すでに持っている? ははは、そんな下品な冗談はやめて下さい。貴方の金の玉よりも高級ですよ。いかん、いかん、そんな下品な冗談はやめましょう。さあ、どれを選びますか?
 カプセルが4個入っている箱を選びましたね。やはりそうですか…。確率が高いですからね。40%ですか? そう、金の玉が入っている確率は40%ですね。でも、なんでそちらを? こちらにも4個のカプセルが入っているのに。勘? そうですか、勘ですか。どちらも同じ確率ですからね。
 では、貴方が選ばなかったこちら、4個のカプセルが入っている箱のカプセルを開けてみましょう。一つ、二つ、三つ、四つ。おめでとうございます。金の玉は入っていませんでした。これで貴方が選んだ箱に金の玉が入っている確率が上がりました。おめでとうございます。
 まだ、2個のカプセルが入った箱がありますが、貴方が選んだ箱には4個のカプセルが入っていますからね。貴方の方が有利です。箱を変えることもできますよ。変えない方が良いと思いますけどね。変えますか?

 

 モンティの頭の中は次のようになっているだろう。

 どうやら司会者はどの箱に金の玉が入っているか知っていそうだ。金の玉が入ったカプセルは他のカプセルに比べて金の玉の分だけ重いからな。違いが分かるだろう。ガラガラと混ぜて分からなくなったふりをしているが、箱に入れるときに気づいたはずだ。だから金の玉が入っている箱のカプセルを開けるはずがなかった。それは確かだろう。

 さて、俺が選んだ箱に金の玉が入っている確率は4/10だった。俺が選ばなかった箱に金の玉が入っている確率は6/10だった。この確率は司会者があの箱の中を俺に見せようと変わらない。俺が選ばなかった箱のうちの一つには金の玉が入っていないことが分かった。俺が選ばなかった箱は残り一つ。その中に金の玉が入っている確率は6/10だろう。箱を変えた方が良いな。最初に選んだ箱には4個のカプセルが入っているけど2個のカプセルしか入っていない箱に変えた方が良いな。

 いや、まて。ベイズの定理を利用して計算してみよう。
 俺の箱に金の玉が入っているとしたら、司会者は残りの箱のどちらを開けても良かったはずだ。その確率は1/2だろうな。もう一方の4個のカプセルが入っている箱に金の玉が入っていたら、その箱を開けるはずはなく、絶対に2個のカプセルが入った箱を開けたはずだ。もしも2個のカプセルが入っている箱に金の玉が入っていたら、その箱を開けるはずがなく、絶対に4個のカプセルが入った箱を開けたはずだ。そして実際に開けたのは4個のカプセルが入った箱だった。だから、俺が選んだ箱に金の玉が入っている確率は…。

 ( 4/10 × 1/2 )/(( 4/10 × 1/2 )+( 4/10 × 0 )+( 2/10 × 1 ))=1/2

 どうやら、私が選んだ4個のカプセルに金の玉が入っている確率も残りの2個のカプセルが入っている箱に金の玉が入っている確率も1/2で同じようだ。それならば変えなくても良い。しかし、さっきのような解き方では変えた方が良いという結果だった。ベイズの定理ではどちらでも良いという結果だったのだから、変えた方が良いな。

 そう考えて、モンティ・ホール問題を知っていたモンティは最初に選んだカプセル4個の箱からカプセル2個の箱に変えた。
 しかし、モンティは大事なことを忘れていた。モンティが選んだ箱に金の玉が入っていた場合、司会者は2個のカプセルが入っている箱を開ける気など全く無かったのである。その箱のカプセルを開ける確率は1/2ではなく0だったのである。最初から4個のカプセルが入っている箱のカプセルを開けるつもりで、その確率は1だったのである。だからモンティが選んだ箱に金の玉が入っている確率をベイズの定理で計算すると次のようになる。

 ( 4/10 × 1 )/(( 4/10 × 1 )+( 4/10 × 0 )+( 2/10 × 1 ))=2/3

 最初にモンティが選んだ箱の中に金の玉が入っている確率は2/3になっていた。残りの2個のカプセルが入っている箱に金の玉が入っている確率は1/3である。モンティは箱を変えてはいけなかったのである。

 図での説明は次の通り。図の解釈は【三囚人問題と変形三囚人問題】【三囚人問題の図解】を見れば分かると思う。詳しくは解説していないが…。

 ちなみに、「モンティが選んだAの箱に金の玉が入っていたらCの箱(カプセル2個)を開ける」と司会者が決めていた場合、Bの箱が開けられた今、モンティが最初に選んだ箱Aに金の玉が入っている確率は0である。Cの箱に変えた方が良い。ついでに、モンティが最初にCの箱を選んでいれば、司会者がBの箱を開けると残りの箱Aに金の玉が入っている確率は2/3〜1に増加(元々は2/10)する。だからモンティは最初にCの箱を選んでAかBに変える戦略にした方が良かった。最初にAを選んだのは失敗かもしれない。図は【こちら】
 モンティが最初にAの箱を選んだ場合はロとハの比率が重要で、モンティが最初にCの箱を選んだ場合はトとチの比率(図は「1/2:1/2」のケース)が重要。

 ところで、このゲームでは、モンティが最初に金の玉が入っていない箱を選んだ場合、それがどの箱であっても、司会者は変更のチャンスを与えずにモンティが選んだ箱を開けたかもしれない。そうなら、箱の変更のチャンスが与えられたらモンティは確率の計算をするまでもなく変更したしない方が良いし、最初に選ぶ箱もカプセルが多い箱を選んだ方が良い。しかし、司会者はその裏をかいて…。要するに、モンティはゲームを始める前に、司会者にルールを聞いておいた方が良い。残された箱の一方(金の玉が入っていない方)を開けること、残された箱のどちらにも金の玉が入っていない場合の各箱を開ける確率を確認しておいた方が良い。でも、上記のような経緯だと、司会者はどの箱に金の玉が入っていないか知らないふりをしているので、ルールを聞いても無駄かもしれない。

 箱に入れるカプセルの数や金の玉の数を変えればモンティ・ホール問題と同じタイプのいろいろな問題を作れる。モンティ・ホール問題と同じ状態にするには、A、B、Cの箱に入れるカプセルの数を同じにすれば良い。例えば1個ずつ入れて3個のカプセルのうちの1個に金の玉を入れれば良い。
 『モンティ・ホール問題 - Wikipedia』に載っていて、ネットでよく見る解法では「変えた方が良い」となるが、ベイズの定理を使って解くと「変えない方が良い」となる問題も作れる。例えば、金の玉は1個のままでカプセルを全部で7個にして、Aに3個、Bに3個、Cに1個入れて、最初にAの箱を選んだ場合は、Aに金の玉が入っている確率は3/7で選ばなかった箱(BまたはC)に金の玉が入っている確率は4/7なので、Bの箱が開けられたとしても、ネットでよく見る解法なら「変えた方が良い(Cを選ぶべき)」という結論になるが、上記のモンティの頭の中のようにベイズの定理を使うと「変えない方が良い(Aのままが良い)」という結論になる。図は【こちら】。変えた方が良いのは「(ロ/ハ)<(1/2)」の場合である。

 モンティ・ホール問題にはいろいろな解き方があるようだが、同じ解き方で、上記のような「金の玉はどこだ!問題」を解いてみてほしい。そして、その解が正式な解き方であるベイズの定理を用いて解いた解と同じかどうか確認してほしい。解が異なる場合は自分の解き方のどこに問題があるかを確認してほしい。


これまでの「三囚人問題、モンティ・ホール問題」関連記事

【三つの扉、三枚の封筒】
【三囚人問題の図解】
【変形三択問題】
【三囚人問題と変形三囚人問題】


追記(2006/9/19):
 表計算ソフトを使ってシミュレーションするのなら…。
追記(2006/9/20)【モンティ・ホール問題:補足】の追記にバージョンアップしたものを載せました。)
追記(2007/3/21):少し使いやすくしたExcelのファイルを作ってみました。興味のある方は【ここ】に入って【MontyHall.xls】をクリックしてみてください。Excel97で作ったので最新のExcelで動作するかどうか分かりません。【直リンク】
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以下は「AppleWorks 6」を使ったシミュレーション方法。
(注意:Excelとは乱数の発生方法、検索文字列のカウント命令、範囲の表し方が異なります。その他にも異なる部分があるかもしれません。)
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プレーヤーの箱の選択を固定して1000回(1000行)計算
---
B11=回数(=1〜1000)
C11=乱数、当たりのカプセル(=1〜10、=RAND(10)=1〜10)

D11=当たりの箱
=IF(OR(C11=1,C11=2,C11=3,C11=4),1,IF(OR(C11=5,C11=6,C11=7,C11=8),2,IF(OR(C11=9,C11=10),3,"")))

E11=プレーヤーの最初の箱の選択(=1、2、3)

F11=司会者の開けた箱(注意:乱数使用、RAND(2)=1,2)
=IF(AND(E11=1,D11=1),RAND(2)+1,IF(AND(E11=2,D11=2),RAND(2)*2-1,IF(AND(E11=3,D11=3),RAND(2),IF(E11+D11=3,3,IF(E11+D11=4,2,IF(E11+D11=5,1,""))))))

G11=当落(最初の選択のまま)
=IF(E11=D11,"○","×")

H11=箱1が開いた場合
=IF(F11=1,G11,"")

I11=箱2が開いた場合
=IF(F11=2,G11,"")

J11=箱3が開いた場合
=IF(F11=3,G11,"")
---
上の計算結果のカウント
---
G7=○の数(1000回中)=COUNT2("○",G11..G1010)
G8=×の数(1000回中)=COUNT2("×",G11..G1010)
G5=○の率(1000回中)==G7/(G7+G8)
G6=×の率(1000回中)==G8/(G7+G8)
H7=○の数(司会者が箱1を開けた場合)=COUNT2("○",H11..H1010)
H8=×の数(司会者が箱1を開けた場合)=COUNT2("×",H11..H1010)
H5=○の率(司会者が箱1を開けた場合)=H7/(H7+H8)
H6=×の率(司会者が箱1を開けた場合)=H8/(H7+H8)
I7=○の数(司会者が箱2を開けた場合)=COUNT2("○",I11..I1010)
I8=×の数(司会者が箱2を開けた場合)=COUNT2("×",I11..I1010)
I5=○の率(司会者が箱2を開けた場合)=I7/(I7+I8)
I6=×の率(司会者が箱2を開けた場合)=I8/(I7+i8)
J7=○の数(司会者が箱3を開けた場合)=COUNT2("○",J11..J1010)
J8=×の数(司会者が箱3を開けた場合)=COUNT2("×",J11..J1010)
J5=○の率(司会者が箱3を開けた場合)=J7/(J7+J8)
J6=×の率(司会者が箱3を開けた場合)=J8/(J7+J8)
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以上。
乱数の範囲(C11)と当たりの箱(D11)への入れ方を変えることで各箱や各ドアの当たりの確率や各囚人の釈放される確率を変えることができます。
---
「AppleWorks 6」の「RAND(10)」「RAND(2)」「COUNT2」「G11..G1010」等はExcelでは次のように変えます。
「RAND(10)」→「INT(RAND()*10+1)」
「RAND(2)」→「INT(RAND()*2+1)」
「COUNT2("○",G11..G1010)」→「COUNTIF(G11:G1010,"○")
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