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共謀罪を含む改悪組織犯罪処罰法は
【「共謀罪」法 衆参両院議員の投票行動(東京新聞 2017/6/16)】

教育行政も「不当な支配」になり得る

『教育行政、「不当支配にあたらず」 国会審議で文科相』(朝日新聞、2006/11/23)を読んで
http://www.asahi.com/politics/update/1122/010.html
次の部分

 伊吹文部科学相は22日の参院教育基本法特別委員会で、政府の教育基本法改正案が、教育は「不当な支配」に服することはないと規定していることについて「国会で決められた法律と違うことを、特定のグループ、団体が行う場合を『不当な支配』と言っている」と語った。一方、法律や政令、大臣告示などは「国民の意思として決められた」ことから、「不当な支配」にあたることはないとの考えを強調した。
(朝日新聞、2006/11/23)

 「不当な支配」を禁止している今の教育基本法の第10条は次の通り。

  1. 教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものである。
  2. 教育行政は、この自覚のもとに、教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立を目標として行われなければならない。

 この「不当な支配」を巡って国会で議論が行われているようなので、関連する私の以前のブログ記事にリンクを張っておく。

  【教基法一〇条の解釈】
  【憲法と子どもに対する教育権能】

 ここで引用している最高裁の判例には次のように書いてある。

それ故、論理的には、教育行機関が行う行政でも、右にいう「不当な支配」にあたる場合がありうることを否定できず、問題は、教育行政機関が法令に基づいてする行為が「不当な支配」にあたる場合がありうるかということに帰着する。思うに、憲法に適合する有効な他の法律の命ずるところをそのまま執行する教育行政機関の行為がここにいう「不当な支配」となりえないことは明らかであるが、上に述べたように、他の教育関係法律は教基法の規定及び同法の趣旨、目的に反しないように解釈されなければならないのであるから、教育行政機関がこれらの法律を運用する場合においても、当該法律規定が特定的に命じていることを執行する場合を除き、教基法一〇条一項にいう「不当な支配」とならないように配慮しなければならない拘束を受けているものと解されるのであり、その意味において、教基法一〇条一項は、いわゆる法令に基づく教育行政機関の行為にも適用があるものといわなければならない。
(『最高裁判例 S51.05.21 大法廷・判決 昭和43(あ)1614』)

 「法律や政令、大臣告示など」も「不当な支配」にあたる場合があり得ると考えるべきだろう。したがって、伊吹文科相の『法律や政令、大臣告示などは「国民の意思として決められた」ことから、「不当な支配」にあたることはない』という意見は論理的に間違っているだろう。

追記:
 伊吹文科相が言っているのは、今の教育基本法のことではなく、政府案のことかな? そうだとすると政府案では「不当な支配」の解釈が変わるということかな?


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