「障害者差別ある」8割だけど
『障害者に関する世論調査─内閣府』(障害福祉〜かざぐるま)を読んで
http://maroon.way-nifty.com/welfare/2007/04/post_ae6e.html
次の部分
◆「世の中には、障害者に対して、障害を理由とする差別や偏見があると思うか?」
ある‥‥52.0%
少しはある‥‥31.0%(→ 全体の82.9%が「差別や偏見がある」と回答)
ない‥‥15.1%
★ 内閣府障害者施策担当者の談話「非常に高い値。意識の問題だけに根が深い。」
ここだけを引用するのではなくアンケート結果の全てを見ないといけないのだが、新聞記事の見出しになっているような所なので、重箱の隅を突くようなコメントをさせていただく。
8割以上の人が「世の中には、障害者に対して、障害を理由とする差別や偏見があると思う」と答えているわけだが、どのように考えたら良いのだろうか。ヒントになるのは「ない」と答えている人が15%もいることだろう。論理的には「ない」を証明するのは難しく、1件でもあれば「ある」となる。その点で、「少しはある」を含めて「ある」と答えた人が8割もいたということは喜んで良いのではないかと思う。障害者に対する差別はおそらくなくならないだろう。なくならないのなら、ちゃんと「ある」と感じ、起こった差別を解消しようとする人が増えることが望ましいと思われる。すなわち、「ある」と感じる人が100%に近づくことがとりあえずは良いのだろう。
もちろん、差別が減れば差別に遭遇する機会が減り「ある」と感じられなくなる。どの程度まで減るのだろうか。人が一生の内に障害者と出会う機会はどのくらいあるか。差別が起こる確率が一定だとすれば障害者と出会う機会が増えれば増えるほど障害者に対する差別を確認する機会が増える。障害者が社会進出すればするほど障害者に対する差別を認識する機会が増える。「世の中には、障害者に対して、障害を理由とする差別や偏見があると思う」と答える人の確率も増えるだろう。
さて、問題は「ない」と答えた15%の人である。他の人が差別と感じていることを差別だと思っていないのか、障害者に対する差別を見たことがないので「ある」と答えられなかったのか。両方が含まれているのだろう。後者にも問題があるが、前者の問題はより深刻である。議論を始めたら差別の定義にまで遡りそうである。内閣府の調査では「合理的な配慮と差別について」という項目もあったらしい(参照)。議論になるのはこのようなことだろう。面倒なので私は議論したくない。
ところで、差別に当たるか当たらないかということでは、千葉県の「障害者差別をなくすための取組み」が思い浮かぶ。その取り組みでは、「障害者差別に当たると思われる事例」を集めた。これを参考にして「障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例」が作られたのだが、成立までにかなりもめたらしい。そういうものなのだろう。かなりの修正があったが、成立して良かった。
文章がまとまってないような気がするが、差別をなくすことは大切だが、差別を差別と認識する人が増えることも大切なのではないか、認識する人が増えれば「差別がある」と答える人が増えるのではないか、ということが書きたかったのである。たぶん。
追記:
私の前のブログ記事→【どうなる千葉県の障害者条例案】
追記(2007/4/30):
アンケート結果の公式ページ→【障害者に関する世論調査】
欧米国からの入退室管理システムを輸入販売する企業にて:
ある日新人社員が入社しました。入社2日目に新人社員が無断欠席しました。会社側が電話にて、人材紹介会社へ問い合わせると、本人が「その初日に社内の特定の社員から非常に傷つく言葉を受けた、、、。辞めます。」 との事のようでした。その後、下記経営者の驚く発言が連発です。
「幻覚?妄想?なにそれ~」「よかった~そんなの取らないで~よかった~」 と、
そうであろうとなかろうと、非常に障害者を馬鹿にした発言です。
そばで聞いていた私は、大変ショックを受けました。健常者として雇われた社員が、突然の病気・事故により障害を受けたとしたら、「は~い うちの会社は即退社・解雇しますよ~」とでも言っているようなものです、それも社員の前での発言でした。
※誰一人とも、好んで障害を持つ人はいません。
by NO NAME (2007-04-17 16:34)
NO NAMEさん、コメントありがとうございました。
その経営者の発言、とても悲しいです。(;_;)
でも、それが現実なのだと思います。
そのような社会の雰囲気が少しずつでも変わってほしいと願っています。
by 正己 (2007-04-17 20:38)