「魂の殺人」からの引用
少し前に私のブログ記事【議論のゲーム化を避けるために】へ連続してアクセスがあった。リンク先の記事の内容を忘れてしまって、今は読めないので残念だが、私の記事は「交流分析」を紹介する意図があったようである。私が読んだ本「講座サイコセラピー 8 交流分析」(杉田峰康著、日本文化科学社、ISBN4-8210-6146-5、Amazon)を紹介しているが、私の本棚を見たら「交流分析のすすめ 人間関係に悩むあなたへ」(杉田峰康著、日本文化科学社、ISBN4-8210-7504-0、Amazon)もあった。こちらの方が読みやすいし、役立たせる際に即効性があるかもしれない。
【議論のゲーム化を避けるために】でサイトを紹介していないのは、交流分析について解説したお勧めサイトを見つけられなかったからである。私のサイトで理論の基本的なことは紹介しているが、日常生活で見られる具体的な交流パターンをPACの図を使って説明する前に疲れて挫折してしまった。最近も交流分析のゲーム分析を詳細に紹介しているサイトを探したのだが見つけられなかった。ただ、【TAネットワーク】というサイトを見つけた。ゲーム分析の詳細な解説はないが、参考図書の一覧があるので選んで読むと良いかもしれない。
その【TAネットワーク】はメルマガを発行していて、最新のメルマガ(第151号)のコラムで「魂の殺人」という本が紹介されていた。引用されていた部分が気に入ったので、私のブログでも紹介する。
「魂の殺人」の著者、アリス・ミラーは著書の中でこう記しています。
(交流分析メールマガジン 第151号)「子どもを教育すればその子は教育を学ぶのです。
子どもに道徳のお説教をすればその子は道徳のお説教をすることを学びますし、戒めれば戒めることを学びます。
子どもをののしればこどもはののしることを学び、嘲り笑えば嘲笑することを学びます。
子どもを傷つければ子どもは人を傷つけることを学び、子どもの魂を殺してしまえば、子どもも殺すことを学ぶのです。
そうなったとき子どもにはただ殺す対象に関しての選択の余地が残されるだけです。自分を殺すか、他人を殺すか、それとも両方か。(p.126)」
最近読み始めたブログ【あなたの子どもを加害者にしないために】の次の文章を思い出した。
親がどんなにえらそうな事を言っていても、子供が見ているのは偉そうな事を言っている親の姿ではない。いざ何かあったときの、親が世間に向けて示す親の姿勢や態度を見ているのである。そして、そこから学んでいる。
親が態度で見せたのは、なにかやった時の世の中に対する対し方そのものである。子どもは忠実にその対し方を学んでいくことになる。 つまり、子どもは親の「言っていること」ではなく「やっていること」を見ている。
子供は親の背中(生きる姿勢)を見ている。
(親の振り見て子は育つ★あなたの子どもを加害者にしないために)
親の行動が、いかに子どもに影響を与えるかが分かるだろう。
親の「言っていること」ではなく、「やっていること」を見て子は育つのである。
「親の背を見て子は育つ」とは、そういうことなのだ。
(「光市母子殺害事件」」(2)-謝罪しない姿から加害者が学ぶこと★あなたの子どもを加害者にしないために)
「魂の殺人」からの引用部分は『親の「言っていること」ではなく、「やっていること」を見て子は育つ』ということだろう。これは頷ける。文字通り「子は親の鏡」である。
【あなたの子どもを加害者にしないために】の著者中尾英司さんは「あなたの子どもを加害者にしないために」という本を著している。残念ながら絶版となってしまって復刊の希望が寄せられているようである(参照)。幸い、私の住んでいる市の図書館には置いてあった。「魂の殺人」も読みたいが、「あなたの子どもを加害者にしないために」も読んでみたい。
中尾英司さんが「あなたの子どもを加害者にしないために」を書いた理由はブログ(参照)に書いてある。地域社会の重要性にも言及していて、「親」を責めるための本ではないらしいので読んで勘違いしない方が良いだろう。
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