Eudora Pro 2.1.3 のメールをThunderbirdに移す
先日、「Eudora Pro 2.1.3-Jr3」のメールを全て「Thunderbird 2.0.0.23」に移した。長年使ってきたiBookの液晶画面のバックライトが時々消えるようになったので、使えなくなって慌てる前に移しておきたかったからである。そもそもSo-netと契約している私は「Eudora Pro 2.1.3-Jr3」からメールを送信できなくなっていた。送信できなくなってから「Eudora Pro 2.1.3-Jr3」では受信するだけにして、iBookに付属していた「Outlook Express 5.0.6」を使って送信していた。メールを全てOEに移そうと思ったこともあったが、手抜きで移していなかった。Thunderbirdの存在を知ってからは将来はThunderbirdを使おうと思っていたのだが、自分専用のWindowsマシンを持っていなかったので移していなかった。少し前に弟にお古を貰って自分専用のWindowsマシンが手に入った。そして、ようやくEudoraのメールを全てThunderbirdに移してメインのメールソフトをThunderbirdに変えた。
さて、通常のメールソフトには他のメールソフトのデータをインポートする機能が付いているのだが、「Eudora Pro 2.1.3-Jr3」はあまりにも古すぎる。フロッピーディスクが残っているが同じケースにダイヤルアップソフトのMacPPP2.2.0aやNetscape Navigator 1.1.2I[ja]のフロッピーディスクも入っている。SUNTACから提供されたらしい。ほとんど記憶にない。そんな古いソフトのデータを簡単にThunderbirdに移せることは期待してなくて、実際にThunderbirdでインポートを試してみたが失敗した。しかし、Googleで検索して方法を探したら、非常に簡単な方法が載っていた。
質問
Mac os9 のeudraからwindows vista thunderbird への移行
Macからwindowsへ乗り換えることにしました。
MacはOS9.2.2、メーラーはeudraを利用しています。
Windows vistaを購入し、thunderbirdを利用しよう
と思っているのですが、メールボックスへの移行
の仕方がわかりません。
どなたか教えていただけないでしょうか
よろしくお願いいたします。
回答
まず、mac書類フォルダのeudoraからinファイルを取り出し、Eudora メール、とリネームする。次にそれをwindowsの
(Mac os9 のeudraからwindows vista thunderbird への移行 - 質問・相談ならMSN相談箱)
C:\Users\*****\AppData\Roaming\Thunderbird\Profiles\*****.default\Mail\Local Folders(vista、見あたらなければ、作成しておく)
へ上書きコピーすれば、Thunderbirdを起動後に参照すれば自動で要約(変換)してくれる。文字化けは、Thunderbirdの表示メニューから文字エンコードでsjisで直る。以上。
(実行前のバックアップはお忘れなく)
Eudoraのメールボックス(テキストファイル)をThunderbirdの「Local Folders」にコピーするだけである。実際に試してみたら、回答の通り文字化けしたが文字エンコーディングを変えることで読めた。しかし、これで文字化けを避ける方法も分かった。Thunderbirdの「Local Folders」にコピーする前にEudoraのファイルの文字コードをJISに変えておけば良い。全てのメールが文字化けせずに読めた。
ただ、添付ファイルのあった(過去形)メールやHTML形式のメールは本文が全く表示されなかった。メールのヘッダに「Content-Type: multipart」とあるメールである。このタイプのメールの処理で試行錯誤したが、最終的には「X-Content-Type: multipart」に置換して無視させることで問題なく表示されるようになった。添付ファイルは他のフォルダに移してあるので、当然表示されないが…。
その他の手順も含めてまとめると次のようになる。
- MacOS9.2.2内の「Eudora フォルダ」をWindowsのパソコンにコピーする。
- 「Eudora フォルダ」から拡張子が「.toc」のファイルと対になっている拡張子の無い同名のファイル(例えば「仕事.toc」があれば「仕事」というファイル)を全てThunderbirdの「Local Folders」にコピーする。通常は次のフォルダにコピーする。(参照)
C:\Documents and Settings\[ユーザ名]\Application Data\Thunderbird\Profiles\ xxxxxxxx.default\Mail\Local Folders
この際にフォルダを使った階層構造になっていればフォルダごとコピーして「.toc」など不要なファイルを削除する。 - フォルダごとコピーした場合はフォルダ名の最後に「.sbd」という拡張子を付ける。フォルダが階層になっていれば、中のフォルダ全てに「.sbd」という拡張子を付ける。
- Eudoraからコピーしたファイル(テキストエディタで開ける)の文字コードを全てJISに変える。
例えば、【jme 漢字コード変換プログラム】を使うと改行コードも含めて複数のファイルを一括して変換できるので楽。 - Eudoraからコピーしたファイル内の「Content-Type: multipart」を「X-Content-Type: multipart」に置換する。
テキストエディタでできるが、複数のテキストファイルのデータを一括して置換できるソフトがあれば(例えば【WIN探検隊】で可能かもしれない)使うと楽。私は一つ一つファイルを開いて置換した。 - Thunderbirdを起動する。
- Eudoraのファイルをフォルダごとコピーした場合は「ローカルフォルダ」の上で右クリックして「新しいフォルダ」を選択してEudoraからコピーしたフォルダと同じ名前でフォルダを作成する。
フォルダの中にフォルダがある場合は、作成したフォルダ名の上で右クリックして、さらに新しいフォルダを同じ名前で作成する。 - Eudoraからコピーしたファイルと同じ名前のフォルダ(メールボックス?)が表示されるので、クリックする。
- メールが未読の状態で一覧表示されるので、各件名をクリックして問題なく表示されているか確認する。
未読メールを一括して既読にするには各メールボックスの上で右クリックして「フォルダを既読にする」を選択する。
さて、Thunderbirdのメールが記録されているファイルは各メールの最初に「From - 曜日 月 日 時:分:秒 年」(例えば「From - Mon Oct 12 17:36:11 2009」)がある。これが各メールの区切りとして認識されている。「Eudora Pro 2.1.3-Jr3」は「From ???@??? 曜日 月 日 時:分:秒 年」でThunderbirdとほとんど同じである。それでファイルをコピーするだけで認識できたのであろう。
そこで、各メールが別のテキストファイルに保存されている場合は、「From - 曜日 月 日 時:分:秒 年」を間に挟んで繋ぐとThunderbirdで読めるようになる。私の場合は放浪中にNECのMobile Gearを使っていて、附属のソフトは各メールを別のファイルに保存する。私は【TextFileBinder-121】を使って「From ???@??? Sat Oct 10 04:45:01 2009」を挿入(送信メールの方は「From:」「To:」「Subject:」のヘッダが無かったので合わせて挿入する必要がある)しながら繋いでThunderbirdで読めるようにした。「From - 曜日 月 日 時:分:秒 年」の形式の方が良かったが、Eudoraに合わせてしまった。
この「From - 曜日 月 日 時:分:秒 年」の日時は適当で良いらしいが、メールのヘッダに「Date:」行がないと、「From - 曜日 月 日 時:分:秒 年」の日時がメールの送受信日になるらしいので注意が必要である。
そんなこんなで、「Eudora Pro 2.1.3-Jr3」のメールを全て「Thunderbird 2.0.0.23」に移したのだが、ThunderbirdのメールがEudoraのようにテキストエディタで読める形式で保存されていて嬉しくなった。Thunderbirdがなくてもメールの内容が確認できるからである。iBookが壊れたらEudoraのメールはテキストエディタで読もうと諦めていたのでThunderbirdに移せて良かった。
ところで、今でも「Eudora Pro 2.1.3-Jr3」を使っている人は全くいないかもしれない。私だけかもしれない。しかし、「Mac os9 のeudraからwindows vista thunderbird への移行」の質問投稿日時は「08/03/18 16:19」で回答日時「09/09/29 08:39」である。「MacOS9 eudoraからwindows vista thunderbird への移行」でも「2008/03/18(Tue) 15:33:18」に質問している。同じ人かもしれないが、1年半前までは「Eudora Pro 2.1.3-Jr3」を使っている人が私以外にもいたようである。もしかしたら今でも使っている人がいるかもしれない。そんな人の役に立てばと思い、この記事を書いた。Googleで検索すれば私の記事がヒットするのではないかと思う。私以外に使っている人がいなければ、誰の役にも立たない記事ではあるが…。(^^;)
追記(2012/1/16):
「Thunderbird 2.0.0.23」の時の状態は覚えていないが「Thunderbird 3.1.17」で問題を発見した。
Thunderbird に移すテキストファイル全体がJISコードになっていても、From行に日本語がある場合「=?iso-2022-jp?B?」で始まるコードで書かれていないとThunderbirdで見た場合に文字化けする。ただし、ソースは読める。「Eudora Pro 2.1.3-Jr3」のテキストファイルではFrom行は「=?iso-2022-jp?B?」で始まる文字コードになっていないのでThunderbirdに移す前に変換しなければいけないようだ。例えば「正己」だったら「=?ISO-2022-JP?B?GyRCQDU4ShsoQg==?=」と書き換えておかないと文字化けするようだ。
追記(2012/1/27):
2012/1/16の追記に書いてある通り、ヘッダ部分の文字コードをMIMEエンコードしておかないと次のようなトラブルが生じるようである。
コード変換ツールで単純にJIS変換してはいけなかったのですね。
=?ISO-2022-JP? で始まるエンコードじゃなきゃいけなかったんですね。
MailExp3228というソフトを使う解決方法が紹介されている。この中のnkf32.dllの最新バージョンはvectorで手に入る(nkf.exe nkf32.dll Windows用)ので入れ替えておいた方が良い。ただし、入れ替えてもテキストファイルがSHIFT-JISのままではエンコードされず、出力ファイルもSHIFT-JISのままだったので、テキストファイル全体をJISに変換してからMailExp.iniファイルの一部を次のように書き換えて実行した方が良い。
NkfHead=-jMX
NkfBody=-jX
このオプションについては、nkf32.dllが含まれるファイルのnkf.txtに記載されている。
MailExpを実行する時の入力と出力のファイル形式はEudora Proで区切りはFromのままにする。変換前のテキストファイルの改行コードがMacintoshのCRのままだと無視されるので注意が必要である。ファイル全体をJISに変換する際に改行コードもCR+LFに変えておいた方が良い。
このテキスト全体をJISに変換し改行コードをCR+LFに変換する方法としては、KanjiTranslatorが便利だが、変換結果を見ると私の場合は失敗しているテキストがあった。それは文字コードに異常がある場合などで、TeraPadで開こうとした時にNull文字を含むと認識されるものまであった。そのようなファイルでは文字化けにより次のメールの一部が巻き込まれていて、そのままだと一つのメールとして認識されないので注意が必要である。
MailExpにより、無事、ヘッダのエンコードが成功した出力は残念ながら、入力したファイルの名前がコピーされず連番になる。また、複数のファイルをまとめてエンコードすると一つのファイルにまとめられてしまうので注意が必要である。名前を戻すには手動で行うかバッチファイルを作るしかないだろう。
この手法はメールを大量のフォルダに分割して保存している場合には手間がかかる。しかし、手間を惜しむと、本文などの文字化けにより一部のメールが表示されなかったり異常になるし、ヘッダの日本語が文字化けすることにより、Thunderbirdの検索機能を有効に利用できなくなる。過去のメールをデータベースとして利用したいのなら、ヘッダのエンコードと、全てのメールが表示されるように文字化け対策は欠かせない。
MailExpを見つけるまで、私は自分の目でエンコードすべき文字列を探して抽出していたので、10日以上を無駄にした。MailExpを使った場合でも本文の異常な文字化け対策があるので数日は必要だろう。一度躓いたら、諦めた方が良いかもしれない。
追記(2013/1/1):
MailExpを使ってエンコードする際、全角文字の隣の「(」「)」「"」「,」などが同時にエンコードされてしまうことがある。Thunderbirdではエンコードされたそれらの文字(メールアドレスを入力する欄ではそれぞれ役割がある)は正常に認識されない。MailExpでエンコードされないようにするには、それぞれの前後に半角スペースを入れて「 ( 」「 ) 」「 " 」「 , 」と置換してからMailExpを使ってエンコードすれば良い。終了後にそれらの前後の半角スペースを削除(半角スペース付きを半角スペース無しに置換)すれば良い。
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