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共謀罪を含む改悪組織犯罪処罰法は
【「共謀罪」法 衆参両院議員の投票行動(東京新聞 2017/6/16)】

ベーシックインカム:浪費で困窮する人に対する現物給付

 今回もベーシックインカムについて書く。【ベーシックインカム:財源を所得税にする案】に書いたとおり、私の中ではベーシックインカム(BI)を「政府が国民などに一定の金銭を定期的に無条件で支給する制度、その制度で支給された金銭」と定義してしている。例えば、毎月8万円の金銭が何もしなくても生きている限り与えられる。それ以上の収入が必要なら給与が貰える労働をして増やすことになる。

 BIには導入前に検討しておくべき課題がいくつかある。今回はその一つについて書く。

 【国民の生存権を確実に保障するためには?】を書いたときにも真っ先に課題に挙げたのだが、BIが支給されても「支給された金銭を適切に使用できずに困窮する人」は必ず存在するだろう。支給された金銭をギャンブルなどで浪費して困窮する人がいるだろう。そのような人を「自業自得」と放っておく案もあるようだが、生活保護法が困窮の原因を問わずに支給要件を満たせば支給するように、BIを支給されても困窮する人に対しても原因を問わずに救済した方が良いだろう。しかし、既にBIが支給されているのにさらに同額の金銭を支給することは財政面から無理がある。緊急の場合は仕方ないが継続して支給し続けることは避けた方が良い。結局は支給されたBIが生活のために適切に使われるようにすれば良い。
 私は以前から「支給された金銭を適切に使用できずに困窮する人」に対しては現物給付に変更したら良いのではないかと思っている。ツイッターでも書いていた(参照)のだが、食料の現物給付は次の図をイメージしている。

BIを適切に使用できずに困窮する人に対する食料現物給付の一案

 流れは次の通り。

 ①まず、困窮している人(被保護者)を見つけたら「生活保護カード」を渡し、支給するBIから食事代として毎月4万円を差し引く。「生活保護カード」にはICが組み込まれていて、そのICで金銭を管理する。「生活保護カード」は本人しか使えないように確認のための顔写真が載っている。
 ②被保護者は食事の時に「生活保護協力食堂」に行って店員に「生活保護カード」を見せる。「生活保護協力食堂」は「生活保護カード」に対応できるレジがあり被保護者の本人確認が確実に行なえる店であれば申請すれば認可される。ただし、食券を購入する前払いの仕組みの店は被保護者による食券の売買が可能になってしまうので原則として認可されない。
 ③「生活保護カード」を見せられた店員が被保護者本人であることを確認し、レジ等で利用限度額を確認してメニューの中から注文を受ける。利用限度額は一月で4万円なので一日3食として逆算すると一食平均450円弱になるが、変化を付けられるように一回1000円、一日1500円などと決める。利用限度額以上の注文をした場合は被保護者が稼いだ現金を追加して支払う。
 ④「生活保護協力食堂」が被保護者のテーブルに注文の品を届ける。店外への持ち出しは被保護者による食料の売買が可能になってしまうので禁止する。
 ⑤被保護者は食後に「生活保護協力食堂」の店員に「生活保護カード」を渡す。②から渡したままでも問題ないと思われるが、「生活保護協力食堂」が被保護者に料理を出さずに、あるいは価格に見合った品を出さずに「生活保護カード」で政府に料金を請求する不正に注意する。
 ⑥「生活保護協力食堂」の店員が「生活保護カード」をICカード対応レジに置くなどして、インターネット経由で料理の料金を政府に請求する。
 ⑦政府の生活保護担当のコンピュータが「生活保護協力食堂」から請求された内容を確認して、問題がないようなら「生活保護協力食堂」が指定した銀行口座にネットバンキング経由で料金を振り込む。その明細は被保護者のデータベースに記録され、被保護者の一月の利用限度額が支払った料金の額だけ減少する。
 ⑧「生活保護協力食堂」の店員は料金が振り込まれたことをレジで確認したら「生活保護カード」を被保護者に返却する。

 現物給付は最低でも3年は続ける必要があるだろう。生活習慣には季節要因があるので1年では不十分、2年目は前年の行動の確認、3年目で慣れてようやく生活習慣が身に付くのではないかと思われる。現金給付に戻った後に再び困窮すようであれば、また現物給付にもどって3年続ける。

 被保護者に対する現物給付の仕組みは「生活保護協力食堂」にとってもメリットがある。政府が確実に料金を支払ってくれること、固定客を確保できる可能性があることがメリットだろう。ただし、被保護者の周囲に「生活保護協力食堂」が増えたら固定客を確保できなくなるかもしれない。

 被保護者が生きるためには最低でも食事が必要だが、住居の確保も必要である。住居が無い被保護者に対しては住居も現物給付にしたら良い。仕組みは食料の現物給付と同様に申請したアパート等を「生活保護協力住宅」として認定し、政府は被保護者が居住していることを確認したら料金を「生活保護協力住宅」に支払う。BIが8万円の場合、現物給付される食費の上限が4万円なので残りの4万円の内、その他で必要な費用を引いた額が家賃の上限になる。
 「生活保護協力住宅」のメリットは、政府が確実に家賃を支払ってくれることである。滞納で困っている大家にとっては大きなメリットだろう。

 医療などその他の社会保障についてはBIとは別の仕組みである。

 勘違いされないように書いておくが、この現物給付は「BIで支給された金銭を適切に使用できずに困窮する人」に対するものであり、困窮しない人に対しては現物給付ではなく現金給付(実際は紙幣を渡すのではなくインターネット経由の銀行振り込みなど電子マネーによる支給)の方が良い。

 以上が私のイメージしている現物給付の仕組みである。これで「BIで支給された金銭を適切に使用できずに困窮する人」が飢え死にし難くなるだろう。この仕組みはBIとは無関係に始められそうだが、現状の生活保護制度で「支給された金銭を適切に使用できずに困窮する人」がいないのであれば不要だろう。もしも「支給された金銭を適切に使用できずに困窮する人」がいるのであれば食料の現物給付を検討しても良いと思われる。

追記(2015/1/25):
 ここに書いてある方法よりももっと良い方法があるらしく、生活保護の運用では実際に行われているらしい。赤文字、強調表示は私が装飾した。

家計管理能力のない方、浪費癖のある方は、ギャンブル依存症の方以外にも数多くいます。さまざまな障害や疾病によって家計管理ができなくなることもあります。
そういう方々に対しては、「週割り」「日割り」での生活保護費支給が可能ですし、実際に行われています。
対象となる生活保護利用者の方々は、毎週または毎日福祉事務所に出向き、その週・その日の保護費を受け取ります。ついでに助言・指導も受けることになります。相談があれば相談できます
(中略)
ケースワーカーによる助言・指導の機会を増やし、生活保護利用者が相談しやすくなることこそが、最大の解決です。
(生活保護費のプリペイドカード支給では、生活保護利用者の行動は改善できず、不正受給対策もできない(みわよしこ) )

 実績のある手法のようなので、こちらの方が、このブログで書いたことよりも断然良いと思う。


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