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共謀罪を含む改悪組織犯罪処罰法は
【「共謀罪」法 衆参両院議員の投票行動(東京新聞 2017/6/16)】

夏季はピークシフトプランの電気料金が高い

 2012年6月9日の朝日新聞に自宅の電気料金をピークシフトプランに変えるシミュレーションをした記者の記事が載っていた。シミュレーションは東京電力のサイト【ピークシフトプラン(ピーク抑制型季節別時間帯別電灯)】でできる。私も5月分の検針票を使って試してみた。それだけでは年間電気料金が上がってしまったので、年間使用量をもっと詳しく算出するため、電気メーターの指示数を記録してシミュレーションのSTEP6で入力して算出した。その結果、現在の従量電灯Bからピークシフトプランに変更することで年間電気料金が下がることが分かった。一時はピークシフトプランに変えようかと親に相談したのだが、電気メーターを確認した日が暖房も冷房も使わない6月だったので、夏季は電力量料金単価が極端に高いピーク時間にもっと使うだろうから電気料金が従量電灯Bよりも高くなるのではないかと心配になって、もう少し詳しく調べることにした。
 シミュレーションはGRAPESというソフトを使った。

 現在の「従量電灯B」は50Aの契約で基本料金が税込1,365円である(従量電灯)。電力量料金は最初の120kWhまで(第1段階料金)1kWhにつき17円87銭、120kWhをこえ300kWhまで(第2段階料金)1kWhにつき22円86銭300kWh超過(第3段階料金)で1kWhにつき24円13銭である。
 シミュレーションではこれらの数値を使うことにする。東電の【電気料金シミュレーション】で確認すれば分かるが、実際はその他に燃料費調整額や太陽光発電促進付加金を加算する必要があるが、シミュレーションでは無視する。

 ピークシフトプランでは従量電灯Bの50Aの契約に相当する契約容量は5kVAで基本料金は1,260円である。(ピークシフトプラン)。従量電灯Bのように使用量に応じで電力量料金の単価が高くなることはなく、時間帯で単価が異なる。夏季(毎年7月1日から9月30日)のピーク時間(夏季の毎日午後1時から午後4時まで)は1kWhにつき44円60銭、昼間時間(ピーク時間を除く毎日午前7時から午後11時まで)は1kWhにつき26円53銭、夜間時間(毎日午後11時から翌朝の午前7時まで)は1kWhにつき9円17銭である。夜間時間の単価が極端に低く、ピーク時間の単価が極端に高い。このピーク時間は夏季のみに適用されて夏季以外は午後1時から午後4時までも昼間時間の単価になる。
 シミュレーションではこれらの数値を使うことにする。ピークシフトプランでも燃料費調整額や太陽光発電促進付加金を加算する必要があるが、シミュレーションでは無視する。

 さて、ピークシフトプランでは一日の使用量が同じでもピーク時間、昼間時間、夜間時間の割合が異なると電力量料金が異なる。
 ピーク時間の割合をp、夜間時間の割合をqとすると、電気料金は次の式で計算できる。

電気料金=1260+44.6×p×使用量+9.17×q×使用量+26.53×(1-p-q)×使用量

 この式を表したグラフは傾きが一定の直線になるのだが、その傾き(44.6×p+9.17×q+26.53×(1-p-q))は平均単価とも言える。従量電灯Bの電気料金をグラフにした場合、第3段階は傾きが24.13円/kWhの直線になるのだが、この直線のy切片は385.2円でピークシフトプランのグラフのy切片1260円よりも低い。これはピークシフトプランの平均単価が24.13円/kWhよりも高かったら、常に従量電灯Bの電気料金よりも高くなることを意味する。平均単価が低ければ使用量を増やすことで従量電灯Bよりも安くなることがあるが、平均単価が高いと使用量を増やしても従量電灯Bよりも安くなることはない。例えば、夜間時間の割合が30%(q=0.3)では、ピーク時間の割合が15.6%(p=0.156)を超えるとピークシフトプランは常に従量電灯Bよりも電気料金が高くなる
 下のグラフは夜間時間の割合を30%(q=0.3)に固定して、ピーク時間の割合を0%から20%まで(0≦p≦0.2)1%ずつ変化させて描いたものである。ピークシフトプランの方が従量電灯Bより安くなる使用量の位置も同時に示してある。例えば、ピーク時間の割合が10%では使用量が874kWhを超えるとピークシフトプランの方が電気料金が安くなる。

夜間時間の割合が30%の場合の使用量と電気料金の関係(クリックで拡大)
図1 夜間時間の割合が30%の場合の使用量と電気料金の関係

 ピークシフトプランの方が従量電灯Bよりも安くなる使用量がピーク時間の割合によってどのように変化するかをグラフにすると下の図のようになる。夜間時間の割合を2%ずつ変化させて描いた。夜間時間の割合が16%より低い場合や74%よりも高い場合は図の範囲内に現れなかった

ピーク時間の割合とピークシフトプランの方が従量電灯Bより安くなる使用量との関係(クリックで拡大)
図2 ピーク時間の割合とピークシフトプランの方が従量電灯Bより安くなる使用量との関係

 各曲線よりも高い使用量ではピークシフトプランの方が従量電灯Bより電気料金が安くなるが、低い使用量では従量電灯Bのままの方が安い。例えば、夜間時間の割合が30%では、ピーク時間の割合が10%ならば使用量が874kWhを超えればピークシフトプランの方が電気料金が安くなるが、ピーク時間の割合が20%になると使用量が2000kWhを超えても従量電灯Bより安くなることはない。計算した結果、夜間時間の割合が30%の場合、ピーク時間の割合が15.6%(p=0.156)を超えると使用量をいくら増やしてもピークシフトプランの方が従量電灯Bよりも電気料金が高くなる

 ピークシフトプランの方が従量電灯Bよりも安くなる使用量が夜間時間の割合によってどのように変化するかをグラフにすると下の図のようになる。ピーク時間の割合を1%ずつ変化させて描いた。夜間時間の割合が42%よりも高い場合は図の範囲内に現れなかった

夜間時間の割合とピークシフトプランの方が従量電灯Bより安くなる使用量との関係(クリックで拡大)
図3 夜間時間の割合とピークシフトプランの方が従量電灯Bより安くなる使用量との関係

 各曲線よりも高い使用量ではピークシフトプランの方が従量電灯Bより電気料金が安くなるが、低い使用量では従量電灯Bのままの方が安い。例えば、ピーク時間の割合が10%では、夜間時間の割合が30%ならば使用量が874kWhを超えればピークシフトプランの方が電気料金が安くなるが、夜勤時間の割合が20%になると使用量が2000kWhを超えても従量電灯Bより安くなることはない。
 グラフを見ると、ピーク時間の割合を0%に抑えても、すなわちピーク時間に全く電気を使わなくても、夜間時間の割合が15%以下では使用量をいくら増やしてもピークシフトプランの方が従量電灯Bよりも電気料金が高くなることが読み取れる。現実には冷蔵庫などの家電が24時間稼働しているのでピーク時間に全く電気を使わないことは有り得ないが、ピーク時間の割合が0%のケースは夏季以外(毎年10月1日から翌年6月30日まで)のピークシフトプランに相当するので、夏季以外では夜間時間の割合を増やして、できれば20%以上にしておいた方が良い。月間使用量が300kWh以下の家庭では、ピークシフトプランにすると夏季以外でも夜間時間の割合が30%でも電気料金が高くなってしまう。計算では30.7%は必要である。

 それでは、月間使用量が同じ場合、ピーク時間の割合と夜間時間の割合をどうすればピークシフトプランの方が従量電灯Bよりも電気料金が安くなるのだろうか。その様子を下のようにグラフにした。

ピークシフトプランが従量電灯Bより安くなる境界線(ピーク時間の割合と夜間時間の割合との関係)(クリックで拡大)
図4 ピークシフトプランが従量電灯Bより安くなる境界線(ピーク時間の割合と夜間時間の割合との関係)

 月間使用量120kWhから300kWhまでは20kWhずつ変えてグラフにした。300kWhから1000kWhまでは100kWhずつ、1000kWh以上は1000kWhずつ変えてグラフにした。線が込み合ってほとんど区別ができない。各直線の左上が、ピークシフトプランの方が従量電灯Bより安くなる条件である。各直線の右下は、ピークシフトプランに変えると電気料金が高くなる注意領域である。月間使用量が120kWh以下では、月間使用量120kWhのラインよりも左上がピークシフトプランの方が従量電灯Bより安くなる条件で、月間使用量が変わっても条件は変わらない。
 私が6月に確認した電気メーターの指示数によると、我が家はピーク時間が10%、夜間時間が30%だった。図中のAに相当する。月間使用量1000kWhのラインの左上であるが、700kWhのラインの左下で、874kWh付近のラインの上にあるようだが、ピーク時間や夜間時間の割合が少し変化しただけで、ピークシフトプランの方が高くなったり安くなったりする。夜間時間が30%のままならピーク時間が15.6%のBより右に行くと絶対に従量電灯Bのままの方が安くなる。
 我が家も含めて一般家庭では夏季はピーク時間にクーラーを利用することで、夏季以外よりもピーク時間の割合が高くなるかもしれない。月間使用量1000kWhの家庭ではピーク時間の割合が20%とすると、夜間時間の割合を40%にしないといけないようである。夏季以外ではピーク時間が0%とみなせるので、月間使用量300kWhの家庭ではDよりも上になるように使用する。もしも夜間時間の割合が低くてEより下であれば、絶対に従量電灯Bのままの方が安くなるのでピークシフトプランに変えてはいけない。
 東京電力のサイト【ピークシフトプラン(ピーク抑制型季節別時間帯別電灯)】にあるシミュレーションでは、STEP5に二つの質問がある。一つは「平日の昼間はご在宅でしょうか?」で「在宅している」と「在宅していない」の選択肢がある。もう一つは「夏のピーク時間(7~9月の13:00~16:00)に電気機器(エアコンなど)は、よく使いますか?」で「よく使う」「あまり使わない」「どちらともいえない」の選択肢がある。どのように選択するかで、ピーク時間の割合が変わるようである。私が確認したところ、次のようになっていた。確認が不十分かもしれないので、間違っていてもご容赦願いたい。

 よく使うあまり使わないどちらともいえない
在宅している19%15%17%
在宅していない14%10%12%

 夜間時間の割合はSTEP6の「年間使用量をもっと詳しく算出する」で入力した電気メーターの指示数によって変わるらしい。我が家の6月のデータを入力した時は30%だった。

 さて、東電のシミュレーションでは平日の昼間に在宅しているがエアコンをあまり使わない場合、ピーク時間の割合は15%らしい。もしも図の点Fのように夜間の割合が25%なら、絶対に夏季はピークシフトプランに変えてはいけない領域にあることが分かる。平日の昼間に在宅してエアコンをよく使うようなら夜間の割合が低いとG(0.19,0.15)のように絶対に夏季はピークシフトプランに変えてはいけない領域になる。
 東電のシミュレーションのSTEP6で「各月のご使用量を見る」をクリックすると、各月の時間帯別使用量の想定値が分かる。「ピーク」「夜間」の使用量の割合を確認して控えておくと良い。その割合が上の図のどの位置にあるか確認することで、夏季にピークシフトプランに変えて良いのかどうかが分かる。ピーク時間の割合が19%で夜間時間の割合が30%の我が家では、夏季はピークシフトプランの電気料金が従量電灯Bよりも絶対に高くなることが分かった。

 ところで、従量電灯Bで第1段階(120kWhまで)で済んでいる家庭は、上図によると(H、I、J)、夏季以外は夜間の割合が44.9%以上、夏季でピーク時間の割合が10%、20%では夜間の割合が55.3%、65.7%以上ないと、ピークシフトプランに変えない方が良さそうである。

 最後に、夏季以外(ピーク時間の割合が0%)で使用量と電気料金の関係がどうなるか夜間時間の割合を変えながら示す。

夏季以外の使用量と電気料金の関係(クリックで拡大)
図5 夏季以外の使用量と電気料金の関係

 夜間時間の割合を2%ずつ変えて描いた。夜間時間の割合が30%の時はピークシフトプランのグラフは従量電灯Bの第3段階(300kWh超)のグラフと300kWh付近で交差して電気料金が下回った。夜間時間の割合が低くなって従量電灯Bの第3段階のグラフよりも傾きが大きくなると(夜間時間の割合が13.8%から)交差することなく常に電気料金が高くなる。逆に、夜間時間の割合が高くなって従量電灯Bの第1段階のグラフよりも傾きが小さくなっても(夜間時間の割合が44.9%から)交差しなくなるが、電気料金は常に低くなる。

 東京電力のサイト【ピークシフトプラン(ピーク抑制型季節別時間帯別電灯)】にあるシミュレーションで我が家では今の従量電灯Bからピークシフトプランに変えることで年間電気料金が下がることが分かったのだが、夏季だけを見ると電気料金が上がるらしい。それでも年間電気料金が下がるのは夏季以外の電気料金が下がるからで、6月の確認した日と同じで夜間時間の割合が30%ならば、電気料金は下がりそうである。ピーク時間と昼間時間の使用量は同じで夜間時間の使用量を下げられたら、再びシミュレーションする必要がある。それでも下がるようであれば、変更することを検討しても良い。ただ、問題は夏季の電気料金である。ほぼ確実に現在よりも高くなる。今申し込めば、プランを変えた途端に電気料金が上がることになる。結局、我が家は夏季が終わるまではピークシフトプランを申し込まないことにした。
 「ピーク時間」が無く「夜間時間」が午後11時~翌朝7時の夏季以外のピークシフトプランは既存の「おトクなナイト8」に似ている。夏季の値上がり期間が無いことから、そちらの方も検討することになった。ただ、昼間時間が従量電灯Bのように使用量に応じて3段階に単価が上がる仕組みで、ピークシフトプランの夏季以外よりも複雑である。電気料金を求める式も複雑になり、間違えやすいのだが、シミュレーションしてみてピークシフトプランよりも安くなりそうなら申し込もうと思ってる。こちらは電気料金が改定されると申し込めなくなるので急がなければいけない。「おトクなナイト10」も同様である。確実に安くなるのはどのメニューか検討したい。

 ちなみに、東京電力のサイト【ピークシフトプラン(ピーク抑制型季節別時間帯別電灯)】にあるシミュレーションによると、電気料金が改定されて単価が上がると、現在の従量電灯Bのままでも、ピークシフトプランに変えても、現在の電気料金よりも高くなりそうである。ご注意あれ。


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