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共謀罪を含む改悪組織犯罪処罰法は
【「共謀罪」法 衆参両院議員の投票行動(東京新聞 2017/6/16)】

どちらも選べない、選ばない

『弁護士がこっそり教える絶対に負けない議論の奥義018』を読んで
http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000143169
(上記URLのページはしばらくしたら「019号」に変わると思います)
次の部分(音声ブラウザで閲覧されることを想定して改行位置を変更しました)

■太郎「その時は別の方法を考えるだけだ。逆に君に問おう。過去、体罰によって子供が死亡した例を知っているだろう。君は、体罰で子供を死なせるのと、話してきかない子供に対する躾をとりあえず諦めてその子が大きくなってから自覚的に躾を身につけるのと、どちらが望ましいと考えるのだ?」

 面白い。(^_^)
 谷原さんはこの質問のおかしさを『二者択一誤導尋問テクニック』ということで説明されている。

■上記の太郎君の論理は、二者択一誤導尋問テクニックが用いられています。

「これとこれのどちらを選ぶのか?」と聞かれると、通常、どちらかを選ばなければならないような気持ちになります。しかし、両方の選択肢に誤った前提を挿入し、どちらを選んでも質問者に有利になってしまう質問を作るテクニックがあります。

 『誤った前提』は「質問者に都合の良い前提」のことである。その前提の真偽は不明であることが多いので…。それから上の太郎君の質問では、「躾」は諦めずに続けて「体罰」を諦める(しない)ことを前提にすべきだろう。「話してもきかない子がいる」という前提が正しいかどうか定かではなく、その前提は「次郎君に都合の良い前提」だから…。まあ、それはどうでも良い。

 このような『どちらを選んでも質問者に有利になってしまう』二者択一の質問をお互いに作って質問し合う議論を見かけることがある。メルマガでは次郎君は太郎君の質問の問題点に気付き指摘する形で反論するのだが、もしも次郎君が太郎君と同じように質問を作ったら次のようになるのではないだろうか。

 「最近の少年犯罪のニュースは君も知っているだろう。君は、話してきかない子に体罰をせずに放っておいてその子を犯罪者にするのと、体罰でちゃんと躾けて真っ当な道を歩ませるのと、どちらが望ましいと考えるのだ?」

 これに「それは後者の方だろう」と答えてはいけない。(^_^)

 太郎君の質問のおかしさを指摘することなく、そして質問にも答えずに、「じゃあ…」と上の質問(「最近の少年犯罪の…」)で応じる。そんな形の議論が多いような気がする。お互いに質問を続けるだけでいつまでも平行線のままである。その結果、国会では「強行採決」という手段が使われることもある。

 二者択一誤導尋問であっても、このように質問すれば相手の主張のおかしさを指摘できるからまだ良い。しかし、議論に慣れていない人の場合は、自分に都合の良い前提を言わずに心の中に留めて主張していることが多いだろう。
 例えば上記の太郎君の質問は次のようになる。

 「(体罰によって子供が死亡した例があるんだよなぁ。体罰で子供を死なせるのは良くないと思う。話してきかない子も大きくなって自覚的に躾を身につけるはずだ。だから)体罰は良くない」

 ()の部分を相手に言わずに「体罰は良くない」と言うだけである。
 同様に次郎君の場合は次のようになる。

 「(最近は少年犯罪が多いよなぁ。あれは親の躾がなってないからだ。体罰を使ってでもちゃんと躾ければあんな事件は起こらなかったはずだ。だから)体罰は必要だ」

 ()の部分を相手に言わずに「体罰は必要だ」と言うだけである。
 これでは「体罰」の定義や議論の「争点」やお互いの「結論」がはっきりしても、いつまでたっても議論は深まらない。平行線のままである。
 最近見聞きすることが多くなったような気がする「偏見」に基づく意見も、自分の「偏見」が正しい(偏見でない)ことが前提になっていて、その前提を明かにせずに「結論」だけ述べているような気がして…。私も自分に都合の良い前提(信念のようなもの)を心の中に留めたままで自分の意見を述べているのだが…。

 話が逸れたかもしれない。

 相手に二者択一の質問をされたときの心構えのようなものがメルマガには書いてある。

■二者択一は、考えられる可能性が二者に限られるからこそ成り立ちます。他の可能性が考えられるときは、二者択一ではなく、他の選択肢を提案しても良いのです。

 その通りである。

 今回のメルマガはとても面白かった。(^_^)
 今回のメルマガは前回の続きである。残念ながらバックナンバーは削除されているが、前回のメルマガを読んだ私の感想は『是か非かではなく』にある。


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カテゴリー:メルマガを読んで
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