老年期うつ病にも注意
『水島広子★国会報告 No.228』を読んで
http://backno.mag2.com/reader/BackBody?id=200504230947450000056084000
次の部分(音声ブラウザで閲覧されることを想定して改行位置を変更しました)
実は、今回、厚生労働省が「安易な家事代行サービス」を切る、と言っていることについて、私が最も心配しているのはうつとの関係です。審議の中でも度々「怠け」という言葉が出てきましたが、「怠け」というのは、うつの症状を誤解してとらえるときによく聞かれる言葉なのです。
本当に効果的な介護予防をするには、うつについての知識は不可欠です。心筋梗塞、糖尿病、がん、脳血管障害などの身体疾患によってうつ病の有病率が高まることも知られており、高齢期のうつへの取り組みの重要性は厚労省も認識して研究してきたはずです。
家事代行などを考えるときに、何が適切で何が適切でないか、ということは、実はうつについての知識を持っている人でなければ判断できないはずです。
また、サービスを切り捨てられたときに、うつのお年寄りは、不服申し立てをしようと考えるのではなくて、「やはり自分は社会に迷惑をかけている存在なのだ」と自殺を考えがちです。
高齢者世帯だけでなく、多世代同居のお年より[お年寄り?(by 正己)]も、孤立しやすいということが指摘されています。家族がいない[家族がいる?(by 正己)]から自殺しない、ということはなく、むしろ、地域の目が行き届かずに孤立しやすいという傾向にあるのです。
このほか、認知症の悪化防止策などについても質問しました。やはり、うつ病にしても認知症にしても、プライマリケア領域の啓発が重要なポイントになります。詳しくは後日議事録をご覧ください。
老年期はうつ病になりやすく注意が必要であることは知っていたが、介護との関連で考えたことはなかった。最近は認知症患者の介護のことが問題になっているようだが、うつ病のことも考える必要があるだろう。介護の現場で働いている人はどの程度うつ病の知識を持っているだろうか。家事代行サービスを利用するかどうかの判断ということならケアマネジャー(介護支援専門員)にはうつ病の知識が必要だろう。「怠けてはいけない!」などと言って家事代行サービスを利用させないような支援ではいけない。
老年期のうつ病に関してはいくつかのサイトで解説されているようである。私がここに書くより、そちらを読んでもらった方が良いだろう。
他の年代のうつ病よりも不安や焦燥感が強い傾向があると聞いたことがある。また認知症と間違えやすいので気を付けなければいけないと聞いたことがある。そして、水島広子さんのメルマガで述べられているように身体疾患との関連も老年期のうつ病に目立つ特徴だろう。お年寄りはいろいろな病気を抱えていることが多いから…。
お年寄りは同年代の人の死に出合うことが多い。友人もどんどん減っていく。邪魔者扱いされたり役割を与えられなかったりして「自分はこの世に必要ない」と思いやすい。うつ病になりやすい状況にある。
ところで、冒頭に引用した部分の最後に触れられている『認知症の悪化防止策』はメルマガの少し上の所に記載されている次の記述とも関係あるかもしれない。
不安になると、ストレスがたまり、精神的健康度が下がります。不安は、認知症の症状を悪化させます。また、うつ病の発症にもつながりうるものです。これは介護予防という観点からは逆行することになります。安心して自分の高齢期を選べるということこそ、予防効果につながります。
不安は『認知症の症状を悪化させ』『うつ病の発症にもつながりうる』ということも知っておいた方が良いだろう。
叱ったり脅したりしてお年寄りの不安感を煽っている人がいると思うが、不安感を取り除くようなコミュニケーションを心掛ける必要があるだろう。
追記(2005/5/31):
引用部分の『詳しくは後日議事録をご覧ください』の議事録は次のメルマガで提供されている。
・水島広子の国会質問【厚生労働委員会★2005.04.22-1】
・水島広子の国会質問【厚生労働委員会★2005.04.22-2】
赤ちゃんもうつになるんです。
by 酔いどれ天使 (2005-11-11 11:44)
酔いどれ天使さん、コメントありがとうございます。
赤ちゃんも親の接し方次第でうつのような状態になるのでしょうね。
大人も子も身近な人との良好な関係が必要なのだと思います。
by 正己 (2005-11-11 16:39)