体力が無いと頑張れない
『★セクシー心理学!★第248色〜マヤ、今夜再び。3つの地獄。』を読んで
http://backno.mag2.com/reader/BackBody?id=200504302330180000034430000
次の部分(音声ブラウザで閲覧されることを想定して改行位置を変更しました)
Aはエサなし。Bは水ナシ。そしてCは異性ナシ。
そして、Aにはエサ、Bには水、Cには異性を目の前に常にチラつかせておいておいたのです。
そしてそこに近づくと電気ショックが流れて、また元の位置に戻されてしまいます。
もちろん、求めたものは決して与えられません。
(中略)
その向かう回数がもっとも多かったのが、Bの、水を与えられなかったマウス。
その数、平均して1日に20回以上。
(中略)
その結果、少しずつ少しずつ向かっていく回数は減っていったのです。
(中略)
次に多かったのが、Aの食事を与えられなかったマウス。
その回数、1日に約15回。
でも、水の場合よりはがんばれたけど、それでも結局は回数が少しずつ減っていきました。
(中略)
Cの、異性を与えなかったマウス。
これも、やはり1日に10回くらい向かっていきました。
(中略)
その向かう数はずっとかわらず、1週間たっても1ヶ月たっても、ひたすら同じペースで、異性に向かっていったのです。
(★セクシー心理学!★第248色〜マヤ、今夜再び。3つの地獄。)
その後に解釈が続く。結論に相当する部分だけを引用する。
でも、その異性を求めるばかりに起こる苦しさは、永遠に続いていく。
慣れやあきらめは、決して存在しません。
(★セクシー心理学!★第248色〜マヤ、今夜再び。3つの地獄。)
これが実験結果の原因であるという解釈である。
私はこの実験の詳細を知らない。しかし、メルマガの記事を読んだ限りでは、解釈に無理があるような気がする。
まず、「水ナシ」のB。水が与えられなかったら衰弱していくのは当たり前で、最初は頑張っても次第に頑張る体力がなくなっていくだろう。
同様に、「エサなし」のA。餌が与えられなかったら衰弱していくのは当たり前で、最初は頑張っても次第に頑張る体力がなくなっていくだろう。
そして最後に、「異性ナシ」のC。水も餌もある。体力は十分に保たれている。いつまでたっても欲求に従って行動できる。
そのようなわけで、メルマガを読む限りでは、この実験結果は常識に沿ったもので不思議ではない。この実験から「性欲は食欲や水を求める欲求よりも諦めにくい」と解釈するのは無理があるだろう。もしも実験を修正するのなら、水や餌が無い状態でも欠けた物に向かっていく体力が温存されるような仕組みが必要だろう。ただ、「水や餌が無くても生きていける」という状態なのに水や餌を求めるだろうか、という疑問は残る。ヒトだったら「水や食料が無くては生きていけない」という先入観が邪魔しない限り、「水や食料が無くても生きていける」という知識が入ったら無理して水や食料を求めないだろう。マウスの場合は身体が「水や餌が無くても生きていける」と学習してしまうかもしれない。この実験を修正するのは難しいかもしれない。
科学実験を行う場合は、比較したい条件以外の条件をできるだけ同じにする必要がある。小学校か中学校で習ったような気がする。ヒトを対象とした心理学実験ではそれが難しいので、いろいろと工夫されているようである。動物を使った実験の場合は、科学実験に近いことができるかもしれない。それでも、非生物を扱うよりも難しいかもしれない。長い長い時間をかけて作られた生存のための仕組みは人間の思考を超えているはずだから。
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