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共謀罪を含む改悪組織犯罪処罰法は
【「共謀罪」法 衆参両院議員の投票行動(東京新聞 2017/6/16)】

心神喪失者等医療観察法はダメ4

『精神障害者犯罪:心神喪失者医療観察法、7月15日施行へ』(毎日新聞、2005/6/30)を読んで
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/archive/news/2005/06/30/20050701k0000m040109000c.html
次の部分

 重大犯罪を起こしながら心神喪失などを理由に刑事責任が問えなかった精神障害者に対し、裁判所が入・通院を命じる「心神喪失者医療観察法」について、政府は今月15日に施行することを決めた。1日の閣議で正式決定する。
(『精神障害者犯罪:心神喪失者医療観察法、7月15日施行へ』)

 これを書いている今は7月2日。閣議決定されたのだろうか。
 「心神喪失者医療観察法」(心神喪失者等医療観察法:正式名称「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」)は問題点が改善されないままで与党の強行採決により成立した法律。今はさらに問題が多くなった状態。施行してはいけない。最初から無理があったのだから廃止した方が良い。廃止しなければならない。

心神喪失者等医療観察法に反対!
↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑

「無罪」の人を強制的に監禁する法律はダメ!

 施行延期に関しては日弁連(日本弁護士連合会)が「心神喪失者等医療観察法の施行延期に関する意見書」を提出している。『6月20日午前に、最高裁、厚生労働省、法務省など関連諸機関に提出』したようである。

 さて、毎日新聞の『重大犯罪を起こしながら心神喪失などを理由に刑事責任が問えなかった』は刑法第39条があるからである。

(心神喪失及び心神耗弱)
第三十九条 心神喪失者の行為は、罰しない。
2 心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。
(RONの六法全書 on LINE)(刑法)

 39条に関する意見は機会があったら別の記事で述べることにする。
 「心神喪失者等医療観察法」について議論するときは、この刑法第39条の存在を前提にしなければならない。この条文に『罰しない』とある。だから罰してはいけないのである。それゆえ心神喪失者等医療観察法の建て前は罰することになっていない。「医療」という建て前になっている。しかし、心神喪失者の中で「重大な他害行為を行った者」を対象としていること、本人の同意なく監禁することなどから「刑罰」の意味合いが強い。心神喪失者等医療観察法は実質的に刑法第39条と矛盾する。だから廃止すべきだと思っている。また、被害者の気持ちを代弁しているつもりになって心神喪失者等医療観察法に賛成している人達も、心神喪失者等医療観察法を「刑罰の代わり」と考えているだろう。毎日新聞の記事でも「刑罰の代わり」と考えていることが推察できる。心神喪失者等の行為は罰してはいけないのである。「刑罰の代わり」としての心神喪失者等医療観察法は認めてはいけない。廃止しなければいけない。

 では、「医療」だったら許されるのだろうか。患者の同意がない「強制医療」である。患者の同意なしに治療することは許されるのだろうか。交通事故などで患者が死にそうになっていて、しかも意識を失っているなど意思決定が不可能な状況では、患者の同意を求めずに治療しても許されるかもしれない。しかし、患者が意思決定できる状態では同意なしに治療することは許されないだろう。インフォームド・コンセントの問題である。
 インフォームド・コンセントに関してはエホバの証人の輸血拒否問題(判例)が有名である。

要旨:
  医師が、患者が宗教上の信念からいかなる場合にも輸血を受けることは拒否するとの固い意思を有し、輸血を伴わないで肝臓のしゅようを摘出する手術を受けることができるものと期待して入院したことを知っており、右手術の際に輸血を必要とする事態が生ずる可能性があることを認識したにもかかわらず、ほかに救命手段がない事態に至った場合には輸血するとの方針を採っていることを説明しないで右手術を施行し、患者に輸血をしたなど判示の事実関係の下においては、右医師は、患者が右手術を受けるか否かについて意思決定をする権利を奪われたことによって被った精神的苦痛を慰謝すべく不法行為に基づく損害賠償責任を負う。
(最高裁判所判例集判決全文表示 H12.02.29 第三小法廷・判決 平成10(オ)1081、平成10(オ)1082 損害賠償請求上告,同附帯上告事件)
http://courtdomino2.courts.go.jp/schanrei.nsf/VM2/97122711186556DD49256ACE00268986?OPENDOCUMENT

 最近では、出産方法に関して患者?の自己決定権が認められるかどうかが争われているようである。

 埼玉県所沢市の国立病院で94年、仮死状態で生まれた新生児をめぐり、両親が「申し出に反して出産方法を決めたのは患者の自己決定権侵害」などとして国と担当医に8400万円の損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第1小法廷(横尾和子裁判長)は上告の申し立てを受理し、先月、関係者に通知した。弁論は7月7日に開かれるが、両親側が逆転敗訴した控訴審判決が見直される可能性が出てきた。
(『分べん裁判:患者の決定権認定か、両親に弁論通知 最高裁』(毎日新聞、2005/6/6))
http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/kenko/news/20050606k0000m040127000c.html

 『分べん裁判』の方がどのような判決になるか分からない。毎日新聞の記事には『両親側が逆転敗訴した控訴審判決が見直される可能性が出てきた』とある。すなわち「患者が決めた出産方法にしなければいけなかった」ということになりそうなのだろう。エホバの証人の輸血拒否に関する裁判と同様に、インフォームド・コンセントを重視すべきであるという判決になるのだろう。ちなみに、インフォームド・コンセントを「患者に説明すれば良い」と考えている人がいるかもしれないが、それではダメで、「患者の同意が必要」である。患者の同意がなければインフォームド・コンセントにならない。

 さて、心神喪失者等医療観察法であるが、「重大な他害行為を行った」時点では心神喪失だったのだから意思決定能力はなかったかもしれない。しかし、治療が行われようとしている時点ではどうだろうか。まだ意思決定能力が戻っていないのだろうか。また、意思決定能力が戻っていないとしたら、治療しなければ本人が死にそうなのだろうか。私にはそうは思えない。心神喪失の状態は一時的なもので、治療が行われようとしている時点では意思決定能力が戻っているだろう。また、治療しなくてもしばらくしたら落ち着き、本人が死ぬことはないような気がする。したがって、心神喪失者等医療観察法は、医療目的であっても本人の同意を必要としていないので、認めるわけにはいかない。

 ここで、エホバの証人の輸血拒否に関する判例を見てみると、患者は手術前に輸血拒否を意思表示していて、医師らはそのことを知っていたようである。これを心神喪失者等医療観察法に当てはめてみると、「心神喪失者等医療観察法に基づく治療」を予め拒否して意思表示していた場合、例えば治療拒否のカードなどを携帯していた場合、医師らは「心神喪失者等医療観察法に基づく治療」を行うことはできないだろう。治療を行った場合は医師は患者の『精神的苦痛を慰謝すべく不法行為に基づく損害賠償責任を負う』ことになるような気がする。多くの患者に反対されている心神喪失者等医療観察法。すなわち「心神喪失者等医療観察法に基づく治療」の拒否が意思表示されているようなものである。心神喪失者等医療観察法に賛成している医師には損害賠償を負う覚悟があるのだろうか。

 以上、心神喪失者等医療観察法の問題点の一つを私なりに述べてみた。何か書き忘れたような気がするが、ここで終わりにして別の機会に述べたい。

 以前の関連ブログ記事:
  【心神喪失者等医療観察法はダメ】
  【心神喪失者等医療観察法はダメ2】
  【心神喪失者等医療観察法はダメ3】


タグ:医療観察法
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