やっと与党とのパイプができた?
『+ だ ちょう +(駝 鳥) - 障害者自立支援法案〜委員会採決直前の審議その5』を読んで
http://d.hatena.ne.jp/swan_slab/20050715/p1
障害者自立支援法案が13日の衆議院厚生労働委員会で可決されたときの議事録が一部掲載されていた。最後の質問者阿部知子議員の部分であるが、その中の次の部分を読んで悲しくなった。
私は昨日の社会保障審議会があまりにも悲しかった。なぜ自立支援医療なるものが話されないのか。そして私のよく知る人に聞きました、どうしてですか。あそこに来ていた人です。彼は言いました。「これでやっと与党とのパイプができたから自立支援医療の問題はわかるけれども自分たちの声を今聞いてもらうしかないから」(『+ だ ちょう +(駝 鳥) - 障害者自立支援法案〜委員会採決直前の審議その5』)
私はそんなふうに障害者当事者団体に思わせている与党なり厚生省なり。私はこんなもの超党派でやりたいです。だって党派の問題じゃない。先ほど八代さんがおっしゃった、ほんとうに障害者施策遅れている。だから議員の総力でやりたい。しかしあの場においてすらなお、障害者団体のトップの人が「やっと与党とのパイプができました、今崩さないでほしい」。ほんとにね、涙を禁じえなかった。なんだこの法案の審議は。
『これでやっと与党とのパイプができたから自立支援医療の問題はわかるけれども自分たちの声を今聞いてもらうしかないから』という『障害者団体のトップの人』?の意見を読んで、所謂「いい子」を連想した。親の顔色をうかがって「いい子」を演じている子を連想した。「いい子」でいれば御褒美をもらえる。「いい子」でいなければ捨てられるかもしれない。そんな風に考えて、自分に対して親がどんな酷いことをしても必死に「いい子」を演じている子を連想した。
なんで障害者は「いい子」でいなければいけないのだろう。厚労省や与党の顔色をうかがって行動しなければいけないのだろうか。厚労省や与党が間違っていても「間違っている」と言ってはいけないのだろうか。なんか変である。
障害者に対する福祉政策は国(官僚や与党?)の「恩恵」ではなく、障害者の「権利」であり、国の「義務」だろう。障害者が所謂健常者と同じように暮らせない社会にしてしまった国の「責任」だろう。しかし、『これでやっと与党とのパイプができたから自立支援医療の問題はわかるけれども自分たちの声を今聞いてもらうしかないから』という言葉からは…。障害者にそのように思わせてしまう今の世の中が悲しい。政治の仕組みが悲しい。
追記(2005/7/21):
7月13日の衆議院厚生労働委員会の議事録が衆議院のサイトにアップロードされている。
・第162回国会 厚生労働委員会 第34号(平成17年7月13日(水曜日))
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/009716220050713034.htm
議事録の上記引用部分は次の通りである。
私はきのうの社会保障審議会が余りにも悲しかった。なぜ自立支援医療なるものが話されないのか。そして、私のよく知る人に聞きました、どうしてですか、あそこに来ていた人です。彼は言いました。これでやっと与党とのパイプができたから、自立支援医療の問題はわかるけれども、自分たちの声を今聞いてもらうしかないから。私は、そんなふうに障害者当事者団体に思わせている与党なり厚生省。私は、こんなもの、超党派でやりたいです。だって、党派の問題じゃない。先ほど八代さんがおっしゃった、本当に障害者施策がおくれている、だから議員の総力でやりたい。しかし、あの場においてすら、なお、障害者団体のトップの人が、やっと与党とのパイプができました、今崩さないでほしい。本当に涙を私は禁じ得なかった。何だこの法案の審議は。
(第162回国会 厚生労働委員会 第34号(平成17年7月13日(水曜日)))
以下は障害者自立支援法案に関するこれまでの私のブログ内の記事
【障害者自立支援法案:可決】
【障害者自立支援法案:委員名簿】
【障害者自立支援法案:八代議員】
【応益負担の理念図】
【障害者自立支援法案:脅し?】
【障害者自立支援法案:強行採決?】
【障害者自立支援法案:与党修正案】
【厚生労働委員会の様子】
【32条は大切2】
【応益負担に賛成なのね?】
【朝日新聞と厚労省】
【32条は大切】
【その公平は本当に公平?】
【「自立」とは自分で決めること】
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