働いたらお金が減る人たち
『やまのい和則の「軽老の国」から「敬老の国」へ 第684号(2005/07/29)』を読んで
http://blog.mag2.com/m/log/0000027832/106256958
次の部分(音声ブラウザで閲覧されることを想定して改行位置を変更しました)
まず最初に、知的障害者の通所授産施設での声です。 今までのメールマガジンでも書いてきたように、この施設では知的障害者が平日、陶器作りや織物や箱作りをすることによって毎月の工賃(月給)を1万円もらっていました。
この1万円の工賃は、知的障害者の方々にとっては、かけがえのない生きがいでした。 しかし、自立支援法により来年1月からは食費も含めて、月2万円を逆に利用者と家族が施設に支払うことになります。
工賃と差し引きすれば、逆に月1万円支払わねばならなくなります。 このことについて、施設を利用する知的障害児の保護者が涙ながらに言っておられました。
「子供の声ですねん。聞いて下さい。『お母ちゃん、僕ね、工賃、1ケ月休まんと1万円やのに、来年から園に一杯一杯お金払わんと通えへんようになるんか? お父ちゃん死んでおらへんし、家にお金ないやろ、家に居とくほうがましやな』。知恵が無いこんな子が自立支援法案を心配しており、つらいです」
(『やまのい和則の「軽老の国」から「敬老の国」へ 第684号(2005/07/29)』)
働いたらお金が減る仕組みである。すでにそのような施設はあるのだろうが、障害者自立支援法案が成立したら、働いたらお金が減る仕組みが確実になる。異常である。働かせてもらうためにお金を支払わなければいけないなんて異常である。
では工賃を上げれば良いのだろうか。あり得ない話だとは思うが、とりあえず工賃が3万円に上がったとする。そうすれば2万円の「働かせてもらうための費用」を支払っても1万円残る。これまで通り1万円の収入になる。それなら良いように思えるが、あり得ない話だし、そもそも妥当な工賃は幾らだろうか。現状は1カ月休まずに働いても1万円しかもらえていない。それが妥当な工賃ではないとして、3万円になったとしても、「働かせてもらうための費用」として2万円支払うから、結局1万円しかもらえない。妥当な工賃に相当する額をもらえなくなる。工賃を上げる必要があるのなら、それは、施設(職場)の利用料が無料の状態で上げるべきだろう。
以下は障害者自立支援法案に関するこれまでの私のブログ内の記事
【応益負担で前向き?】
【財務省様の仰せの通りに?】
【やっと与党とのパイプができた?】
【障害者自立支援法案:可決】
【障害者自立支援法案:委員名簿】
【障害者自立支援法案:八代議員】
【応益負担の理念図】
【障害者自立支援法案:脅し?】
【障害者自立支援法案:強行採決?】
【障害者自立支援法案:与党修正案】
【厚生労働委員会の様子】
【32条は大切2】
【応益負担に賛成なのね?】
【朝日新聞と厚労省】
【32条は大切】
【その公平は本当に公平?】
【「自立」とは自分で決めること】
コメント 0