相関関係が因果関係を生む
『『サザエさんと株価の関係−行動ファイナンス入門』』(自然と人間を行動分析学で科学する)を読んで
http://simamune.cocolog-nifty.com/nature_human_and_science/2006/05/post_736f.html
次の部分
タイトルにあるように「サザエさん」の視聴率とTOPIX(東証株価指数)の間には-.86の相関があるらしい*、これは、
「サザエさん」の視聴率が高い時は株価が下落し、逆に視聴率が低い時には株価が上昇する傾向がある(p.18)
ということである。
これが相関関係の記述。
ところが、これは(あたりまえだけど)、みんなが「サザエさんを」観れば景気が悪くなり、観なければ景気が良くなるということではない。相関関係はそのまま因果関係を示すわけではないからだ。
相関関係を因果関係と取り違えないようにすることは重要であり、相関関係を因果関係のように述べている文章を読むと「それは違うだろう!」と思うことが多い。引用したブログで紹介されている本を読んでないのにコメントするのもどうかと思うが、常々思っていることを書きたい。
引用した部分に書いてあるように「サザエさん」を見れば景気が悪くなり見なければ景気が良くなるわけではない。しかし、「サザエさん」の視聴率が高かったことが原因で株価が上昇し、「サザエさん」の視聴率が低かったことが原因で株価が下落することがあるかもしれない。現実にはほとんど起こり得ないと思うが…。
もちろん相関関係に価値がないというわけでない。投資家にとっては株価の予測(これも投資家の行動の予測である)ができればいいわけで、そのためには相関関係がわかるだけでも充分である。
このように、相関関係を利用すれば投資家は株価を予測することができる。そして、もしも高くなると思えば買うだろうし、低くなると思えば売るだろう。株価は売りたい人よりも買いたい人が多ければ高くなる傾向があり、買いたい人よりも売りたい人が多くなれば低くなる傾向があると思われる。まとめると、「サザエさん」の視聴率が低かったことを知って多くの投資家が株を買い、その結果株価が上昇する。縮めると「サザエさん」の視聴率が低かったことが原因で株価が上昇する。このように相関関係を利用して行動を起こす人が多いと、その相関関係と同様の因果関係が生じることがあるかもしれない。
詭弁かもしれないが、流行は誰かが「流行る」と言ったことが原因で流行る場合があるような気がして、それと同じように、相関関係を利用して予測でき、その予測に合わせて行動する人が多くなると、相関関係だったものが因果関係へと変わることがあるかもしれない。相関関係が因果関係を生むことがあるかもしれない。
相関関係と因果関係の取り違いに関しては以前に私のブログで触れたなぁ、と思って検索してみたらあった。→【因果関係?相関関係では?】
他のサイトの情報を借りてきただけでたいしたことは書いてなかった。
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