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共謀罪を含む改悪組織犯罪処罰法は
【「共謀罪」法 衆参両院議員の投票行動(東京新聞 2017/6/16)】

不良品が一定数以上含まれる確率

 私は数学が好きなのだが得意ではない。特に確率が苦手で心理学の分野に進んでいたら苦労しただろう。しかし、やはり数学が好きなので面白い話を聞くと興味を持って調べたくなる。
 先日、NHKスペシャルの『マネー資本主義 第4回 ウォール街の“モンスター”金融工学はなぜ暴走したのか』で、確率の話が出てきた。「リスクの沈殿」というイメージが残っていて、それも面白かったのだが、その前に複数のさいころを振って全て「1」の目になる確率は低いという話があった。それは当然だなと思って聞いていたのだが、「マネー」の話になって「~社以上が(同時に?)破綻する確率は非常に低いから…」という感じのことをグラフを使って説明していたような気がする。ちょっと気になって本棚にあった「改訂版 確率のはなし」で似た情報を探してみたら、「不良品を含む確率」という項目があった。

不良品が10%で大量生産されている製品があるとします。いいかえれば、一つの製品を取り出したとき、それが不良品である確率は0.1ということです。その製品を15個ずつ箱詰めにします。1箱中に不良品が0個、1個、2個、……、15個ある確率はいくらでしょうか。
大村平著「改訂版 確率のはなし」日科技連出版社、91ページ)

 実際に計算してあって、不良品が7個以上である確率が無視できるほど小さいことが示されている。

もし、15個詰の箱が100個あるとすると、そのうち20箱ぐらいは不良品が1個もはいっておらず、30数箱は不良品が1個で、不良品2個を含むのは27箱ぐらい。不良品が7個以上も1箱の中に混ざってしまうことは、まず無いだろう、ということがわかります。
大村平著「改訂版 確率のはなし」日科技連出版社、91ページ)

 実際に計算した結果は【生活や実務に役立つ高精度計算サイト】「二項分布(グラフ)」でnに15、pに0.1、【繰返回数】に15を代入して「計算」をクリックすると見ることができる。グラフだけコピーすると次のようになる。

二項分布(n=15,p=0.1)

 『マネー資本主義 第4回 ウォール街の“モンスター”金融工学はなぜ暴走したのか』で見た図も似たような傾向だったように思う。15個では少ないので、200個中の不良品の数がr個である確率の分布を計算してみた。不良率を1%(0.01)、2%(0.02)、3%(0.03)にして比較した図は次の通りである。

二項分布(n=200,p=0.01,0.02,0.03)

 【二項分布(グラフ)】でnに200、pに0.01,0.02,0.03、【繰返回数】に20を代入して「計算」をクリックすれば棒グラフで見ることができる。
 どうやら不良率が1%の場合は不良品の数が10個以上になることはほとんどなさそうである。不良率が3%でも不良品の数が15個以上になることはほとんどなさそうである。

 しかし、大量生産のための機械の調子が悪くなってくると、不良率が上昇しそうである。いつまでも1%で計算するわけにはいかないだろう。そこで、不良率がある時期を境に上昇することを仮定して、不良率の上昇に伴って不良品の数が15個以上になる確率がどのように変化するかグラフにしてみた。

不良品が15個以上の確立(n=200,p=0.01~1)

 「time=10」までは不良率を0.01に固定してあるが、その後は徐々に増加させている。
 不良率が0.1(10%)になると、不良品の数が15個以上になる確率が90%を超えた。200個詰めの箱が100個あったとして、不良品が15個以上入っている箱を廃棄する場合、90箱以上を廃棄しなければならない。100箱中10箱も残らない。計算違いかと思った。念のため、【二項分布(グラフ)】でnに200、pに0.1、【繰返回数】に50を代入して計算してみたら、次のようなグラフが得られた。

二項分布(n=200,p=0.1)

 不良品の数が20個の所にピークがある。15個以下の所は少ない。不良品の数が15個以上になる確率が90%を超えたのはそういうことかと納得した。(追記:nに2000、pに0.1、【増分値】に5、【繰返回数】に100を代入して計算した場合のグラフを見ると不良品の数が200個のところにピークがあり、150個以下の所はほとんど無い。同じ不良率でも200個中15個以上不良品が含まれる確率と2000個中150個以上不良品が含まれる確率は異なるので注意が必要である。)

 それにしても、不良率の見積もりを誤ると怖い。「マネー」の話も、リスクは一定ではなく変動するのだから、変動するたびに計算し直さないと危険である。リスクがどのように変化するのかプロは知っていて、リスクが上昇し始めたら素人に転売するなどして自分たちだけ儲けているのだろう。素人は知らずに買って大損する。オバマ大統領によるとウォール街は金融危機での反省が見られないらしいので、もう一度金融危機に近いことが起こるのかもしれない。素人はプロに騙されないように注意して欲しい。

 オバマ米大統領は20日、ウォール街の銀行は米リセッション(景気後退)を悪化させた金融危機以降に十分な自責の念や変化を示していないと非難した。

 大統領は、PBSテレビとのインタビューで「わたしが見ている問題は少なくとも、ウォール街の銀行がこうしたリスクを取ったことに対して自責の念を感じている姿勢が見られないことだ」と語った。

 また「これまでに起きたことの結果として社風や慣行が変わったという感覚が得られない。だからこそ、われわれの金融規制改革案が非常に重要となる」と指摘した。

『米ウォール街の銀行、金融危機での反省見えない=オバマ大統領』ロイター、2009年07月21日10:38JST)

 上のグラフに間違いがあったらごめんなさい。私は確率が苦手なので…。(^^;)


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共通テーマ:マネー

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