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共謀罪を含む改悪組織犯罪処罰法は
【「共謀罪」法 衆参両院議員の投票行動(東京新聞 2017/6/16)】

1974年からの所得税と所得税率をグラフにしてみた

 私が確定申告をするとき、用意されている冊子の指示に従い、計算欄に収入を入力して所得を算出し、各種控除を引いた課税所得を計算欄に入力して税金を算出していた。意外と簡単なのだが、その「計算欄」がどのような意味を持っているか全く分かっていなかった。
 先日、日本の累進課税を視覚化するために所得に対する所得税の変化をグラフに表わそうとして、ネットで税率を確認していた時に「超過累進税率」という見たことの無い単語を目にした。気になって調べたら、所得税は【所得税 - Wikipedia】に載っている所得税率を所得に掛け算すれば求められるわけではないらしい。次のサイトが分かりやすい。

所得900万円の人は、900万円×23%ではない。

よくある間違いは、所得900万円の人は900万円×23%=2,070,000円の税額だ、ということです。しかしそうではなく、上記の図のA部分をみるとすぐ分かりますが、900万円の人にも5%部分があり、 決して900万円全体に23%の税率がかかっている訳ではありません。

その税率区分ごとの総額が、その人の所得税額になります。これが超過累進税率の仕組みです。実際に計算式で理解すると次のようになります。

A: 195万円×5%=97,500円
B: (330万円ー195万円)×10%=135,000円
C: (695万円ー330万円)×20%=730,000円
D: (900万円ー695万円)×23%=471,500円
合計:1,434,000円

日本の所得税率は超過累進税率。|松田税理士事務所

 900万円の23%は207万円である。実際の所得税と636,000円の差がある。この差は所得税率が同じ範囲の所得では同じ額になり、「所得税の速算表」に「控除額」として載っている。「控除」という表現が気になるが、「所得税の速算表」は上記引用サイトにも載っているが国税庁のサイトにも載っている。

[平成25年4月1日現在法令等]

 所得税の税率は、分離課税に対するものなどを除くと、5%から40%の6段階に区分されています。
 課税される総所得金額(千円未満の端数金額を切り捨てた後の金額です。)に対する所得税の金額は、次の速算表を使用すると簡単に求められます。

所得税の速算表
課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円超 40% 2,796,000円

(注) 例えば「課税される所得金額」が700万円の場合には、求める税額は次のようになります。
 700万円×0.23-63万6千円=97万4千円

No.2260 所得税の税率|所得税|国税庁

 「控除額」がどのように決まるかイメージするには、最初に引用したサイトの別のページを参考にしたら良い。

そこで税額部分のみを算出するには、全体の税額(900万円×23%)から税額以外の部分(E:控除額)を控除すればいいことに気が付くと思います(下図参照)。

つまり、「所得税速算表の控除額」の意味とは、全体の税額(900万円×23%)から(A+B+C+D)の合計額を差し引いた残りの部分を意味します。

所得税速算表の「控除額」の意味とは?|松田税理士事務所

 さて、「超過累進税率」の仕組みと「速算表」を使った簡単な計算方法は分かった。では、横軸が課税所得で縦軸が所得税率のグラフはどのように作ったら良いのだろうか。Excelを使って表を作成してグラフにする方法もあるが、私は【GRAPES】という関数グラフソフトを使ってグラフにしたい。そのためには一つの数式で表せた方が良い。

 まずは図を使って復習。

所得xは900万円~1800万円、所得税=A+B+C+D+E=0.33x-F
(図をクリックすると少し拡大できる)

 上の図で課税総所得金額がx(900万円~1800万円)の時の所得税はA、B、C、D、Eの各長方形の面積を足した額であり、それは所得xにその区分の所得税率33%を掛け算した0.33xから区分「900万円を超え1,800万円以下」の「控除額」F(1,536,000円)を引いた額と同じである。そのどちらを使って計算しても良いのだが、次のように所得xが別の区分にある場合にも使える数式が欲しい。

所得xは330万円~695万円、所得税=A+B+C=0.20x-F
(図をクリックすると少し拡大できる)

 この図では課税総所得金額がxは330万円から695万円の間にある。すると、所得税はA、B、Cの各長方形の面積を足した額であり、所得xにその区分の所得税率20%を掛け算した0.20xから区分「330万円を超え695万円以下」の「控除額」F(427,500円)を引いた額になる。
 上の図のような計算方法で所得の区分が異なっても場合分けせずに使える一つの数式を探したのだが、見つからないまま諦めた。

 「控除額」を使った一つの数式を考えるのは、比較的早い段階で諦めて、次の図のように発想を転換した。

所得xは900万円~1800万円、所得税=A+B+C+D+E+F
(図をクリックすると少し拡大できる)

 横に並んだ長方形を足し合わせるのではなく、上に積み上げられた長方形の面積を足す方法で計算することにした。
 課税総所得金額がx(900万円~1800万円)の時の所得税はA、B、C、D、Eの横長になりがちの各長方形の面積を足した額である。数式は「所得税=A+B+C+D+E+F」になる。
 この方法は、所得の区分が異なっても同じ数式が利用できる。例えば、区分「900万円を超え1,800万円以下」の時は長方形Fは所得xの右側にある。その面積を足してはいけない。数式では「max(0,0.07(x-1800))」となっているが、所得xが1800万円を超えないと値はゼロになる(F=0)。長方形Fの面積が足されることはない。所得xが他の区分にある時も同様である。
 これでどの区分の所得でも一つの数式で所得税を計算できるようになった。この式を見つけた後に、「所得税の速算表」を使った一般的な計算方法を似た方法で数式にできないか考えてみたのだが、答えは見つかってない。

 最後に、既にTwitterで画像をアップロードした(14:40 - 2014年6月17日)のだが、【所得税 - Wikipedia】の「5 日本の所得税 5.4 税率と控除」のデータを使って、超過累進税率方式であることに注意して、1974年からの所得税と所得税率の推移をグラフにしたので、載せておく。各グラフをクリックすると倍の大きさに拡大して表示できる。

課税される所得金額と所得税の関係(1億円まで)
課税される所得金額と所得税の関係(1000万円まで)
課税される所得金額と所得税率の関係(1億円まで)

追記(2014/6/19):
 グラフの「課税される所得金額」は所謂「年収」とは異なる。「給与所得控除」や「基礎控除」など各種控除があるからである。年収400万円では「給与所得控除」と「基礎控除」を引いただけで課税所得が228万円にまで減る。
 次のサイトを利用すれば「給与収入」などを入力することで「課税所得」が分かり、「所得税」を計算してくれる。とても便利なサイトである。


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