通話用ガラケーを持つよりは楽天でんわを使った方が良い
先日【カケホーダイのスマホ1台に絞るか、通話用ガラケーを使い続けるか?】を書いたのだが、その後に【楽天でんわ】を知った。サービスは2013年の12月に始まったらしい(参照)。身内に「スマホの料金が高い」と相談された時には始まっていた。しかし、気付かなかった。【050 plus】の方に心を奪われていたからだろう。IP電話である「050 plus」はパケット通信料を支払わなければいけないことに先日気付いて、1分間の通話で約250KBを使用するらしい(参照)。250KBは2000パケットで、スマホは0.075円/パケット(0.6円/KB)だから、1分の通話で150円が別に必要である。パケット定額サービスを契約していなければ高過ぎる。そしてパケット定額サービスは高い。【050 plus】は利用しないし、勧めないことにした。
それに対し、【楽天でんわ】はIP電話ではなくて、パケット通信料が必要ないらしい。スマホの人はアプリをインストールして使うようだが、アプリが無くても使えるらしく、ガラケーでも利用できるらしい(【フィーチャーフォンでのご利用方法】)。固定電話の時に一時期競争が激しかったマイラインのようなものらしく、携帯電話の番号を【楽天でんわ】に登録したら電話番号の頭に「003768」を付けて電話すれば良いらしい。そのままアドレス帳に登録すれば手間が省ける。ただし、無料通話のために「003768」を付けずに発信したい場合に困るので工夫が必要である。番号非通知にしたい場合は「184003768」、携帯電話のデフォルトが番号非通知で通知して発信したい場合は「186003768」らしいが、情報が少なくはっきりしない。
その【楽天でんわ】は通話料が税別で30秒あたり10円らしい。ドコモの【タイプXi にねん】が30秒あたり20円だから半額である。そして、ガラケーの【タイプS バリュー】の30秒あたり18円よりも安い。【カケホーダイのスマホ1台に絞るか、通話用ガラケーを使い続けるか?】で通話用にガラケーを持つのなら通話時間が75分以下でタイプSバリューを選択し、75分を超えたら【カケホーダイ(ケータイ)】を選択した方が良いことを示した。通話料が30秒あたり14円のタイプMバリューや、楽天でんわと同じで30秒あたり10円のタイプLバリューを選択するくらいならカケホーダイ(ケータイ)を選択した方が安いという結果だった。そのガラケーがタイプSバリュー、タイプSSバリューで【楽天でんわ】を使ったらどうなるか気になった。
結論を先に書くと、通話用にガラケーを契約して【楽天でんわ】を使うくらいなら、ガラケーを契約せずにスマホで【楽天でんわ】を使った方が安いし、通話用にガラケーを契約した方が安いのは、通話時間が109分以上で、しかも、通信するデータ量が29640パケットを超えて65540パケット以下で、しかも、ちゃんと【Xiパケ・ホーダイ ダブル】を契約中で、しかも、ガラケーは【カケホーダイ(ケータイ)】を契約しているという限られた状態だけである。【楽天でんわ】の出番はない。しかも、【Xiパケ・ホーダイ ダブル】は2014/1/31に新規受付が終了して、これから契約することはできない。すると【タイプXi にねん】の他に通話用に追加でガラケーを契約したら確実に高くなる。
まずは簡単な考え方から。
次の表を見てほしい。
通話用ガラケーを用意 | スマホだけを使用 楽天でんわで通話 (30秒あたり10円) | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
プラン名 | 基本使用料 (ファミ割MAX50) 50%OFF |
30秒あたりの通話料 | 無料通話分 (無料通話時間) |
→ | 無料通話時間の 通話料 |
基本使用料 (ファミ割MAX50) との差 |
eビリング(-20円)と ユニバーサルサービス料(+3円)で 補正 |
Xi にねん のみ | 743円 | 20円 | 0円 (0分) |
→ | 20円/分で 増加 |
0円 -10円/分 |
0円 -10円/分 |
タイプシンプル バリュー | 743円 | 20円 | 0円 (0分) |
→ | 0円 | -743円 -10円/分 |
-726円 -10円/分 |
タイプSS バリュー | 934円 | 20円 | 1,000円 (25分) |
→ | 500円 | -434円 -10円/分 |
-417円 -10円/分 |
タイプS バリュー | 1,500円 | 18円 | 2,000円 (55分) |
→ | 1,100円 | -400円 -16円/分 |
-383円 -16円/分 |
カケホーダイ(ケータイ) | 2,200円 | 0円 | 0円 (自由) |
→ | 20円/分で 増加 |
-2,200円 +20円/分 |
-2,183円 +20円/分 |
タイプM バリュー | 2,500円 | 14円 | 4,000円 (142分) |
→ | 2,840円 | 340円 -12円/分 |
357円 -12円/分 |
カケホーダイ(スマホ)のみ | 2,700円 | 0円 | 0円 (自由) |
→ | 20円/分で 増加 |
0円 +20円/分 |
0円 +20円/分 |
タイプL バリュー | 4,000円 | 10円 | 6,000円 (300分) |
→ | 6,000円 | 2,000円 | 2,017円 |
タイプLL バリュー | 6,500円 | 7.5円 | 11,000円 (733分) |
→ | 14,660円 | 8,160円 +5円/分 |
8,177円 +5円/分 |
スマホで【楽天でんわ】を使えば通話料が30秒あたり10円になるのにわざわざ通話料が30秒あたり10円より高いガラケーを追加で契約するということは、無料通話時間を基本料金で買うようなものである。その無料通話時間をスマホを使って【楽天でんわ】で通話したら幾らになるか図に示してある。タイプSSバリューやタイプSバリューは【楽天でんわ】を使った方が安くなる。タイプMバリュー、タイプLバリュー、タイプLLバリューは【楽天でんわ】よりも安く無料通話分が使えるが、それらの基本料金よりも安い基本料金で【カケホーダイ(ケータイ)】が契約できる。無料通話分をいくらでも増やせる。だから、タイプSSバリューやタイプSバリューだけでなく、タイプMバリュー、タイプLバリュー、タイプLLバリューを選択しても最安値プランにならない。
さて、今回も【カケホーダイのスマホ1台に絞るか、通話用ガラケーを使い続けるか?】の時のように、最安値プランを見つけるためのグラフ(マップ)を作った。
一月の通話時間が97.85分以下の場合は【カケホーダイ(スマホ)】を契約せずにスマホで【楽天でんわ】を使った方が安くなる。この97.85分とは、【カケホーダイ(スマホ)】の基本料金2700円と【タイプXi にねん】の基本料金743円の差額の1957円を【楽天でんわ】の通話料20円/分で割った値である。26667パケット/月とは、【Xiパケ・ホーダイ ダブル】の最低料金2000円を単価0.075円/パケットで割った値である。それ以下では【Xiパケ・ホーダイ ダブル】を契約しない方が安いが通話時間が98分/月以上では【カケホーダイ(スマホ)】を契約した方が安いので意味が無い。98分/月に達しない通話時間の場合は関係ある。109分/月とは、追加契約したガラケーの【カケホーダイ(スマホ)】の基本料金2200円からeビリング20円を引いた2180円を【楽天でんわ】の通話料20円/分で割った値である。29640パケット/月や65540パケット/月は【カケホーダイのスマホ1台に絞るか、通話用ガラケーを使い続けるか?】で述べたとおり、【Xiパケ・ホーダイ ダブル】が定額で料金の上昇が止まっている間に【カケホーダイ(スマホ)】のパケット通信料が上昇して、基本料金などの差額が埋まった時の値と、逆に、【カケホーダイ(スマホ)】が定額で料金の上昇が止まっている間に【Xiパケ・ホーダイ ダブル】のパケット通信量が上昇して、いったん開いた差額が埋まった時の値である。そこから上は、【カケホーダイ(スマホ)】の料金上昇が止まっているのに【Xiパケ・ホーダイ ダブル】のパケット通信量が上昇しているため、通話時間を減らさないと【カケホーダイ(スマホ)】と同じ料金にならないことを示すグラフになっている。さらに上では【Xiパケ・ホーダイ ライト】の定額4700円/月が適用されている。【Xiパケ・ホーダイ ダブル】の単価0.05円/パケットで割った値の94000パケット/月の所である。【Xiパケ・ホーダイ ライト】は【タイプXi にねん】と同じで2014/8/31まで契約できる。
さて、新たに契約できない【Xiパケ・ホーダイ ダブル】を除いて、2014/8/31まで契約できる【タイプXi にねん】と【Xiパケ・ホーダイ ライト】を候補に残した場合の最適プランはどうなるだろうかな。グラフ(マップ)を作ってみた。
ガラケーを通話用に追加契約する【カケホーダイ(ケータイ)】を含むプランが消えた。スマホ一台に絞るプランが最適になる。
座標Sの46667パケット/月は、【カケホーダイ(スマホ)】の「データSパック」の定額料金3500円を「データSパック」を契約しなかった場合の単価0.075円/パケットで割った値である。座標Tの62667パケット/月は、【Xiパケ・ホーダイ ライト】の定額4700円/月を【Xiパケ・ホーダイ ライト】を契約しなかった場合の単価単価0.075円/パケットで割った値である。37.85分/月は、【タイプXi にねん】の基本料金743円/月と【Xiパケ・ホーダイ ライト】の定額4700円/月を加えた5443円/月と、【カケホーダイ(スマホ)】の基本料金2700円/月と「データSパック」の定額料金3500円を加えた6200円/月との差額757円/月(6200円/月-5443円/月)を【楽天でんわ】の通話料20円/分で割った値である。
これを書いていて初めて気付いたが、ドコモの新料金プランはパケット定額サービスを含めた最低料金が値上がっている。上のグラフを見て、「タイプXi にねん+Xiパケ・ホーダイ ライト+楽天でんわ」のプランが最適だと思われる人は、今年の8/31までに【タイプXi にねん】と【Xiパケ・ホーダイ ライト】を契約した方が良いかもしれない。もちろん、パケット定額サービスを契約した場合は、いったんは排除した【050 plus】も候補になる。
さて、最後に、私のようにガラケーだけを契約している人が【楽天でんわ】を利用した場合の最適プランを確認するためのグラフ(マップ)も作ったので載せておく。
タイプシンプルバリューとカケホーダイ(ケータイ)の範囲が広い。ただし、タイプシンプルバリューはメールしか使わない設定にしてある。カケホーダイ(ケータイ)の43750パケット/月より上は「データSパック」を契約しているが、下は契約していない。
カケホーダイ(ケータイ)を契約したくない場合のグラフ(マップ)も作った。
【パケ・ホーダイ ダブル】の契約が含まれている所と含まれていない所があるが、マップでは分けてないので注意が必要である。
追記(2014/7/1):
上のグラフはタイプSSバリュー、タイプSバリュー、タイプMバリューのそれぞれの無料通話・通信分を使い終わった後で楽天でんわを使用する前提になっている。しかし、無料通話分の残高を確認するのは面倒だし、らくらくホンのようにプレフィックス付加機能が無い場合は、無料通話分が無くなったら電話帳に登録してある電話番号の頭に003768を付加して登録し直す必要がある。携帯電話をパソコンに接続すれば【ドコモケータイdatalink】などを使ってExcelとの連携で一括編集ができるが、やはり面倒である。
そうすると、タイプSSバリュー、タイプSバリュー、タイプMバリューでは楽天でんわを使わずに、無料通話分が無く最初から003768を付加して使うことになるタイプシンプルバリューでだけ楽天でんわを使うことになりそうである。その場合の最適プランは上のグラフとは異なる。下のグラフはタイプSSバリュー、タイプSバリュー、タイプMバリューが現れている部分を拡大したものである。影響を受けるのはタイプSSバリュー、タイプSバリュー、タイプMバリューの範囲だけなので、他は上のグラフと同じである。
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