選挙公約：仕事と生活のバランス

『少子化アンケ：児童手当より働きやすい職場を　女性回答』（毎日新聞、2005/8/21）を読んで
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/archive/news/2005/08/21/20050822k0000m040060000c.html
次の部分

一方、「働きやすい職場」については、公明党が子育て支援策に「生活を犠牲にしない働き方」を挙げ、重視しているが、自民党は短時間勤務制度に触れた程度で、民主党は言及がない。
（毎日新聞　2005年8月21日　20時32分）
注意：この部分は下の追記のように変わった。

　記者は民主党のマニフェストをちゃんと読んでいないようである。
　普段から水島広子さんら民主党議員の活動報告を見ていると民主党が女性の「働きやすい職場」に触れていないわけがないことが想像できる。そこで、改めて民主党のマニフェストを読んでみた。１０ページから１１ページに次のように書いてある。関係あると思われる部分を強調表示させていただいた。

３．社会保障・雇用
（中略）
（４）仕事と生活のバランスをとりながら、能力が最大限発揮できる雇用環境をつくります。
(1) 誰もが仕事に就き、労働が正当に評価されるルールを確立します。
就業機会の拡大を図り、ワークシェアリングや男女共同参画の推進、不払い残業の解消などに取り組みます。失業の新規発生を食い止め、就労者を増やします。男性も女性も家事を担い、生活を共に楽しむため、長時間労働を解消し、休暇が取れ、年休の完全消化ができるワーク/ライフ・バランスを実現します。過重労働やメンタルヘルス対策として、長時間労働者に対する医師による面接指導を義務づけます。経済環境の変化に適合した労働者の権利擁護、労働債権の優先的な保証、官民格差の是正、国際的ルールの確立などを推進します。

(2) パート均等待遇の実現、育児・介護休業制度の拡充をすすめます。
正社員とパート社員などの間の合理的な理由のない格差を是正します。短時間労働であることを理由として、賃金その他の労働条件について正社員などと差別することを禁止する「パート労働法改正案」を、政権獲得後すみやかに成立させます。
実質的に1 年以上の雇用契約を結んでいる有期雇用労働者であれば、育児・介護休業がとれるようにします。また、子どもが生まれてから小学校に入学するまでの間、月単位で2 回まで分割して育児休業を取得できるように改善をすすめます。結婚、出産、育児、介護などを経て、再就職や起業にチャレンジする女性のため、教育訓練制度を創設します。

(3) 能力開発と月10 万円の手当支給で、失業・廃業からの再出発と暮らしを応援します。
（中略）

(4) 若者の自立のため、就労支援をマンツーマンで行います。
（中略）

４．子育て
（１）子どもが健やかに育つ社会をつくります。
(1) 月額１万6000 円の「子ども手当」を創設します。
（中略）
(2) 「出産時助成金」を創設します。
（中略）
(3) 幼保一体化やＮＰＯ支援で保育を拡充し、学童保育を2 万カ所に増やします。
約2 万5000 人といわれる保育所入所を待つ待機児童の解消をめざします。「保育所は厚生労働省」「幼稚園は文部科学省」という縦割り行政を是正し、「子ども園（仮称）」を創設して、幼稚園と保育所の一体化を推進します。また、ＮＰＯなどが行っている家庭的保育制度（保育ママと呼ばれてきたもの）など、地域の多様な資源の積極活用を推進し、待機児童解消に向けた具体策を実行します。
現在、約1 万4000 カ所で行われている学童保育を4 年間で2 万カ所に増やし、指導員も5 万人から6 万人へと増員します｡さらに、父母の就業実態にあわせた保育時間の延長などを含め､待機児童解消に向けて､少なくとも960 億円の予算を確保します。
（以下略）
（2005年民主党マニフェスト政策各論）
http://www.dpj.or.jp/seisaku/sogo/BOX_SG0062.html
http://www.dpj.or.jp/seisaku/sogo/image/BOX_SG0062_kakuron.pdf

　記者が考えている『子どもがいても働きやすい職場』がどのようなものか分からないが、民主党マニフェストの上記の部分は子育て中の女性が働きやすくなる政策ではないだろうか。私はそのように読んだ。
　記事で『公明党が子育て支援策に「生活を犠牲にしない働き方」を挙げ』と書いてあるが、その『生活を犠牲にしない働き方』は民主党のマニフェストでは『ワーク/ライフ・バランス』と書いてある。
　私の勘違いかもしれないので、記者は民主党の女性議員に聞いてみれば良い。

　追記：
　毎日新聞の上記引用記事は、次のように変わったようである。

一方、「働きやすい職場」については、公明党が子育て支援策に「生活を犠牲にしない働き方」を挙げ、重視しているが、自民党や民主党は育児休業や短時間勤務制度に触れた程度。
（毎日新聞　2005年8月21日　20時32分　（最終更新時間　8月21日　22時37分））
『少子化アンケ：働きやすい職場を重視　女性の出産意識』

　この私のエントリーは削除しようと思ったが記者の怠慢を示すために残しておく。

追記（2005/11/30）：
　トラックバックをいただいた「ＮＰＯ法人フローレンス」さんの記事は、リンク先が無くなっています。しかし、「ＮＰＯ法人フローレンス What's new」のブログはあります。

　http://florence.seesaa.net/

　「ＮＰＯ法人フローレンス」は水島広子さんの2005.11.30発行のメルマガで紹介されていました。バックナンバーは削除されてしまいますが水島広子さんのブログで紹介されているようです。（参照）
　「ＮＰＯ法人フローレンス」のＵＲＬは次の通りです。

　http://www.florence.or.jp/

コメント 2

そうなんですか。。。民主党ね。
研究しておきます～

トラックバックさせていただきますね！
by ましーん10号 (2005-08-24 12:44) [id:c9954971] 

ましーん10号さん、私の記事にリンクしていただき、ありがとうございました。
毎日新聞の記事では「記事を鵜呑みにしないこと」の大切さを強く感じました。今は選挙中ですから特に…。
by 正己 (2005-08-24 22:37) [id:c9955261]