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共謀罪を含む改悪組織犯罪処罰法は
【「共謀罪」法 衆参両院議員の投票行動(東京新聞 2017/6/16)】

ベーシック・インカムで健康で文化的な最低限度の生活ができるか

 【国民の給与総額をベーシック・インカムで再分配したら】ではベーシック・インカム(BI)の支給額を月額8万円(年に96万円)にして計算した。8万円の根拠は、例えば【ベーシックインカム・実現を探る会:入門 / Q&A】では『国民年金や生活保護の支給額に照らして』(京都府立大学の小沢修司教授)とある。しかし、月額8万円で暮らすのは難しい。BIを導入するのなら『年金や生活保護などの制度で必要だった煩雑な事務手続き』(参照)を無くして人件費などを削減するために生活保護制度は廃止すべきだと思うが、月額8万円なら生活保護制度を残して足りない分を補うしかないかもしれない。

 では、生活保護制度を廃止できるBIの支給額はどのくらいだろうか。それは生活保護制度で計算した最低生活費と同額でなくてはいけない。事務手続きの簡素化のために住所や年齢による区別をしない方が良いので、物価の高い地区でも健康で文化的な最低限度の生活ができる額(参照)でなければならない。【もやい】にある【生活保護費自動計算ソフト】(v.1.7)を使って「東京都千代田区」(1級地-1)、年齢「12歳~19歳」、住む場所が必要なので住宅扶助の上限値(53,700円)を入力して計算すると、最低生活費は142,300円になる。東京都千代田区で一人暮らしをしている19歳の人にとっては最低でも月額142,300円が必要な場合があるということだろう。BIでこれよりも低い額しか支給されなかったら、その人はBIだけでは健康で文化的な最低限度の生活ができなくなる。「働いて稼げばよい」という発想はBIの理念と矛盾するだろう。
 しかし、BIの支給額を月額142,300円にすることは可能だろうか。2008年の日本人人口は125,947,146人らしい(参照)。から、BI予算として215兆円が必要である。2008年に民間企業が支払った給与の総額は201兆3,177億円らしい(参照)から、給与所得者の給与の再分配だけでは足りない。所得税が100%でも足りない。法人税などを財源に加えれば良いのかもしれないが、BIの支給額を減らすしかないように思われる。

 では、どのように減らすか。私は保護者がいるはずの未就労の未成年に対する支給額を民主党の「子ども手当」くらいの月額3万円にしてはどうかと思う。保護者がいるはずの未就労の未成年数は人口の18%くらい(人口推計月報民間給与実態統計調査など参照)らしいので、BI総支給額は約184兆円にまで減らせる。それでも、全日本人に月額8万円支給する場合の約121兆円(参照)と比べたら多く、所得税は90%を超えてしまうが…。

 結局、給与の総額(2008年で201兆円)を増やすか健康で文化的な最低限度の生活に必要な費用(2010年度は月額142,300円)を減らすしかない。後者は物価が下がれば可能かもしれない。住宅扶助を東京都千代田区のケースの上限53,700円で計算してあるが、バブル期の東京23区内での私のアパート代は3万円くらいだったように思う。安いアパートを選んだので一人暮らしの平均よりも低いだろうが…。他にも物価が下がれば健康で文化的な最低限度の生活に必要な費用を下げられるかもしれない。
 とにかく、現状では、全ての国民に一律に健康で文化的な最低限度の生活に必要な費用を支給するのは無理である。一律にBIを支給するのなら健康で文化的な最低限度の生活に必要な費用よりも低い額しか支給できない。国民の健康で文化的な最低限度の生活を確実に保障するためには保護者がいるはずの未就労の未成年への支給額を減らすなど、一律支給を諦めるしかないかもしれない。しかし、一律支給を諦めても事務手続きが煩雑になってBI支給のための人件費が増える仕組みでは良くない。BIの事務手続きはシンプルなほうが良い。


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kyunkyun (キュンキュン)

一般的なBIの考え方は、生活保護でいうところの 「生活扶助 (食費・衣類・光熱費等) 」 を中心とした考え方だと思うのですが、最近、この 「生活扶助費」 だけををメインにしたBIではなく、それ以外の生活保護の要素である、「住宅扶助費」 「医療・介護扶助費」 との比率を同等にしたBI、あるいはその比率を可変できるようなシステムにすれば良いのではないだろうか? と思うようになりました。
そうすれば、BIの課題とされている医療・介護の現物サービスへの不安も解決出来ますし、かなり安心感のあるBIになるのではないでしょうか。
例えば、BI支給額を月10万円とした場合、
* 住宅扶助BIとして4万円。
* 生活扶助BIとして5万円。
* 医療・介護保険料として1万円。
これで合計10万円のBIになります。
by kyunkyun (キュンキュン) (2010-05-07 20:29)

正己

kyunkyunさん、コメントありがとうございました。
画像認証に失敗したとのこと、失礼しました。読みにくかったかもしれませんし、アルファベットは大文字小文字を区別しているので、それが原因かなとも思いました。原因はともかく、メールで頂いたコメントをこちらのコメント欄に貼り付けさせていただきました。
BIの額には確かに「住宅扶助費」「医療・介護扶助費」に相当するものを含めた方が良いと思います。合計で10万円ならぎりぎりで可能かもしれません。所得税を財源とする案では国民の所得の合計が250兆円を超えれば税率60%で済みそうです。
by 正己 (2010-05-07 20:46)

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