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共謀罪を含む改悪組織犯罪処罰法は
【「共謀罪」法 衆参両院議員の投票行動(東京新聞 2017/6/16)】

ハイダーのバランス理論を拡張してみる

 【「味方の敵は敵」のままでは…】を書いた翌週の朝ドラ「瞳」を見たところ(あらすじ)、ハイダーのバランス理論で分析したら面白そうだった。
 先に流れを図示すると次の通り。スクロールが面倒なので、クリックすると別ウィンドウで開くようにしてある。

NHK朝ドラ「瞳」第22週のバランス推移

 次のようなストーリーである。

 境野涼子ちゃん(図の「子」)はダンス部でヒップホップ(図の「ダ」)を楽しんでいた。ダンスを始めてから涼子ちゃんが明るくなったので涼子ちゃんのお母さん(図では「母」。以下「母」と記す)は喜んでいて、ヒップホップに好感を持っていた(図1)。しかし、涼子ちゃんのお爺さん敏明(図の「爺」。以下「爺」と記す)は以前にヒップホップのダンスをしている若者を見たことがあり、その時の印象でヒップホップが嫌いだった(図2)。
 涼子ちゃんがダンス部にいることを知った爺は涼子ちゃんにダンスを止めさせようとする。図2の「△爺子ダ」のバランスが崩れているので「子→ダ」を「-」にしようとした。しかし、ヒップホップに好感を持っていた母は爺に反発する(図3)。図2の「△母爺ダ」のバランスが崩れていたので図3のように「母→爺」が「-」になった。
 母と爺が喧嘩していることに涼子ちゃんは心を痛めた(図4)。母と爺の仲が悪いと図4のように「△子母爺」のバランスが崩れる。母と爺に仲良くなってほしいので、涼子ちゃんはダンスを止めることを決意する(図5)。図6のような安定状態を求めたのである。図6のようになれば「△母爺ダ」「△子母ダ」「△子爺ダ」のバランスが良くなり、目的通り「△子母爺」のバランスも良くなる。
 しかし、コーチの瞳や友梨亜たち友達(図では「友」。以下「友」と記す)の働きかけで、涼子ちゃんはダンスを続けることにした。ダンスを爺に見てもらって、ヒップホップを理解してもらうことにした。母も爺を嫌っているわけではないし、爺も母を嫌っているわけではなかった(図7)。これで爺包囲網が整った。図7で「-」は「爺→ダ」だけである。
 幼稚園と老人会の交流会で涼子ちゃんたちダンス部はダンスを披露し、交流会は大成功。ダンスを披露している時の涼子ちゃんの楽しそうな姿を見た爺はちょっと微笑む。交流会の後に家に帰った涼子ちゃんは爺と話し、爺はヒップホップに理解を示し、涼子ちゃんがダンスをすることを認める(図8)。

 図1のように三者のバランスが良い状態だったのに新たな人が加わることでバランスが崩れ、図6のように元の三者の好悪感情を変えて新たなバランス状態に変化することがある。新たな人が加わるたびにバランスが変化する。バランスが崩れた状態でさらに新たな人が加わることで図8のように元のバランスが保たれることもある。
 ハイダーのバランス理論は三者の関係しか示していないが、多角形の基本が三角形であるように、バランス理論の基本の三角形を繋げてたくさんの人の関係を考察したら面白いかもしれない。好悪感情を変えない頑固度、他人の好悪感情を変えてしまう影響力、他人の好悪感情に左右されやすい従順度などを各人に設定してシミュレーションすることもできるかもしれない。私はプログラミング技術がないので作らないが、そんなソフトがあったら使ってみたい気がする。学校の先生だったら、クラスの生徒の関係をハイダーのバランス理論を使って分析するかもしれない。

 と、書いた後にネットで調べたら、シミュレーションしている人がいるらしい(参照)。しかも分析ツールまで公開しているところがあるらしい(参照)。試してみたいが、英語だということで断念。日本語で使い方を解説しているサイトがあれば嬉しい。あるいは、他の分析ツールで日本語で使い方を解説しているサイトがあれば嬉しい。とにかく、ハイダーのバランス理論を利用したシミュレーションを行っている人がいるらしいことは分かった。

 さらに調べたら、「ソシオン理論」というもの(参照1参照2参照3)があることを知った。バランス理論にも応用できそうである。例えば上の図では、図2の状態になった場合に「爺→ダ」が「-」のまま図6のように変化するか「爺→ダ」が「+」に変化するか、どちらに変化するかも説明できそうである。シミュレーションにも応用しやすそうである。長い間心理学関連で新しいことを勉強していなかったが、久しぶりに勉強したくなった。「ソシオン理論」そのものは、ネット上で見つけた最新情報が2006年のもの、で去年や今年の情報が見つからなかったので古いかもしれないが…。

追記(2008/9/6):
 『ソシオン理論入門』を読んだ。疑問点がいくつかあったけれど、理論好きな人にはお勧め。荷重の記号表記は定量的に分析するのに良い。また、現実のネットワーク(Cモード)と心の中に描いているネットワーク(Pモード)を区別して、CモードとPモードが一致しない場合について考察できるのも良い。Cモードの荷重とPモードの荷重の定量的関係についても記号表記を用いて表現すれば、もっと面白くなりそうな気がした。
 私がこの分野の研究者だったら、かなりのめり込んでいそうである。


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