責任は加害者にある
『田口ランディブログ:アメーバ的日常: 寒い』を読んで
http://blog.ameba.jp/randy/archives/000580.html
次の部分
でも、更生施設からのコメントは今のところ出ていない。なぜだろう。国の施設であるなら真っ先になんらかのコメントを発表する義務があると思う。イトーヨーカドーの支店長ではなく、まず更生施設長のコメントを聞きたい。たぶん、そこでまたシステムの裏に人間が隠れ、責任の所在をあやふやにするためにもめているのだろう……。
そうかもしれない。
でも、事件が起こった時の責任は加害者にある、という原則を大事にしたい。
安城市の幼児殺傷事件では、加害者(裁判が終わるまではまだ容疑者)は窃盗罪などで服役して刑務所を仮出所した後に保護観察中ということで更生保護施設に入所したが、数日後に行方が分からなくなっていたらしい。この場合、更生保護施設には彼を見失った責任はあるかもしれない。しかし、加害者が殺人事件を起こすことは予想しにくく、殺人事件の責任を問うのは違うだろう。加害者に通り魔殺人の前科があれば何となく予想できるかもしれないが、そのような前科がなければ予想は難しいと思う。「更生保護施設がちゃんと監視していなかったから翔馬ちゃんが殺されたんだ」と思いたくなる人がいるだろうが、その理屈は少し違うような気がする。確かに更生保護施設がちゃんと監視していれば事件は起こらなかったかしれないが、何か違うような気がする。
さて、加害者であるが、次のように報道されている。
『<愛知通り魔>「死ね」と叫びながら幼児ら襲う』(毎日新聞、2005/2/5)
捜査本部によると、氏家容疑者は、窃盗罪で1月末まで服役していた名古屋刑務所豊橋刑務支所を出所直後には「当初は約1万円を持っていた」と供述。名古屋市内で職を探したが、見つからなかったといい、逮捕時は金がなく、時計とライターしか持っていなかった。
さらに調べに対し、氏家容疑者は「数日前からイライラしていた」などと話しているが、亡くなった翔馬ちゃんらに対する謝罪の言葉は口にしていないという。取り調べに対してしっかりした口調で話しているといい、捜査本部は刑事責任は問えるとみている。
『安城の乳児刺殺 模範囚として仮出所 氏家容疑者 「仕事なくイライラ」』(読売新聞、2005/2/6)
調べに対し、同容疑者は出所時に持っていた約1万円が無くなり、職探しも難航して「仕事が見つからずイライラしていた」と話している。
受刑者が出所後に仕事を探すが見つからず、所持金が少なく社会復帰しにくい状態で放り出されているという話は報道番組などで何度か耳にした。この事件の加害者も同じかもしれない。加害者が自暴自棄になり「死んでしまいたい。でもなんで俺だけがこんな思いをするんだ。なんで俺だけが死ななくちゃいけないんだ。誰かを道連れにしてやる」と思ったとしても不思議ではない。身勝手な考えで、普通はそのような考えを抑えて行動に移さないのだが…。この事件の加害者がどのように思って翔馬ちゃんを殺したのか分からない。でも、とにかく、どんな理由があったとしても、事件の責任は加害者にある。
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