心神喪失者等医療観察法はダメ
『医療観察法、異例の施行前改正へ 病棟建設地で反対強く』(朝日新聞、2005/3/27)を読んで
http://www.asahi.com/politics/update/0327/001.html
次の部分
現在、心神喪失などを理由に不起訴や無罪となった場合、多くは都道府県知事の行政処分として精神保健福祉法に基づいて措置入院させている。政府・与党は必要な病床数を確保できるまでの間、経過措置として措置入院を受け入れている都道府県立病院を厚労相の指定を受けなくても代用できる案などを検討している。
その場合、受け皿となる都道府県立病院が現在の措置入院より医療の水準を引き上げ、指定入院医療機関に準じた医療内容を提供できるプログラムを導入する方針。そのための医療観察法と精神保健福祉法の改正案を提出、遅くとも秋までには成立させたい考えだ。
一般の精神病院(「精神科特例」があるため他の身体的な医療に比べて水準が低い)よりも高い水準の医療を提供することが目的だったはず。そのために特別な病棟を作る予定だったはず。その主旨に反する案である。措置入院の医療水準を上げたり、既存の都道府県立病院で済むのなら、「心神喪失者等医療観察法」は必要なかったはずである。「心神喪失者等医療観察法」を作ったことと矛盾する考え方である。
もともと医療目的ではなく隔離目的だったからこのような改正案が出る。「隔離できる場所があればどこでも良い」が本音だろう。一般の精神病院に閉じこめたかったけれど病院側が嫌がっているので、どこか特別な場所を作って隔離しようとした。その根拠が必要で「心神喪失者等医療観察法」を作った。そんな感じだろう。ハンセン病患者隔離政策と同じような構図である。
【ハンセン病問題検証会議:最終報告書(要旨) なお厚い無理解の壁(毎日新聞)】
【Googleニュース検索: ハンセン病問題検証会議】
【ハンセン病事実検証調査事業(日本弁護士連合会)】
「心神喪失者等医療観察法」は法的に罪の無い人を監獄のような所に隔離する法律である。精神病院はこれまでも精神障害者を閉じ込めてきたが、厚生労働省の説明担当者によると「より厳重に」閉じ込める(『東尾張病院のケースにつきましては、安全確保のために二メートルから三メートルのフェンスを設置する』)らしい。
【参議院会議録情報 第161回国会 厚生労働委員会 第4号(抜粋)】
【私(正己)の以前の独り言】
「対象となる人達のため」という彼らの主張が詭弁であることは明白である。
「心神喪失者等医療観察法」は廃止しなければいけない。
追記(関連情報):
【「心神喪失者等医療観察法鑑定ガイドライン」策定に対する意見書(日本弁護士連合会)】
追記(関連ニュース):
『心神喪失者医療観察法、施行前に法改正』(日本経済新聞、2005/3/29)
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20050329AT1G2902W29032005.html
『法施行前に異例の改正検討 医療観察法で厚労省』(河北新聞、他共同通信、2005/3/29)
http://www.kahoku.co.jp/news/2005/03/2005032901003194.htm
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050329-00000185-kyodo-soci
『心神喪失者等医療観察法の施行に伴い指定薬局の推薦を要請 日本薬剤師会』(薬事日報、2005/3/28)
http://www.yakuji.co.jp/contents/headlinenews/hln2005032801.html
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