アッシュの実験:同調しちゃう
『ゆうきゆうの快感アメーバ心理学|アメーバjp: 「パパに似てる♪」』を読んで
http://blog.ameba.jp/yuki/archives/000797.html
次の部分
王様はびっくりして、「これは鹿だろう?」と、その場の人たちにも聞きますが、悪い大臣に賄賂をもらっている大臣達が、「これは馬ですよ。」と口々に言います。
(中略)
その王様はその後、
「そうか、これは馬だな。」 と納得してしまったのです。
これで連想したのは「アッシュの実験」。同調性を調べるための実験らしい。次のようなもの。
(A)----------------------------
「(A)と同じ長さなのは次のうちのどれか?」という問題。
(1)------------------------
(2)----------------------------
(3)--------------------------
正解は(2)である。
しかし、7人の回答者がいて、そのうちの6人が全員一致で別の答を述べた後、最後に応えた被験者は(2)ではなく、他の6人(実はサクラ)と同じ答を選びやすくなるというものである。
「心理おもしろ実験ノート」(渋谷昌三著、三笠書房「知的生きかた文庫」)101ページ「5 なぜ多数派の意見に同調してしまうのか?」によると、123人の被験者のうち自分の判断を守り通したのは29人(24%、4人に1人)だそうだ。4人のうち3人は自分の判断を曲げても間違った他人の意見に同調してしまうのだそうだ。
この「罠」は7人全員の答が一致した実験を2度行った後の3度目の実験だそうだ。最初の2つの実験が行われなかったらどうなるか分からない。もしかしたら自分の判断を曲げない人がもっと多かったかもしれない。新興宗教などで教祖様に正しいことを何度か言われた後だと間違ったことでも信じやすくなるだろうが、その心理も混ざっているかもしれない。「新興宗教」の「教組」でなくて、「キリスト教」の「牧師」でも…。
アッシュの実験の主旨から離れてしまった。
アッシュの実験には続きがあって、お互いの顔を見ることも話をすることもできない状況で他の人の結果を見ることができるだけの場合は同調する割り合いが減ったらしい。また、6人のサクラのうち1人が別の答を言った場合も同調する割り合いが減ったらしい。上記引用の王様の例は、『「何を言っているんだ、これは鹿じゃないか」と言う正しい大臣もいます』ということなので、サクラの1人が裏切った場合に相当するだろう。それでも同調してしまうのだから…。
「心理おもしろ実験ノート」にはアッシュの実験の解釈として次のように書いてある。
なぜすべての被験者に同調が見られなかったのかというと、被験者の中には、他人の意見や他人からの承認というものをまったく気にしないで、自分の能力や価値観に自信をもっている人もいたためです。とすれば逆に、多数派の意見に従った多くの人には、自信を欠き、自尊心が乏しく、集団の圧力に屈しやすいという特徴が当てはまることになります。
なるほど。そうかもしれない。私は同調しにくいタイプである。(^_^)
「心理おもしろ実験ノート」にはさらに次のように書いてある。
実際の生活の中では、お互いにしょっちゅう顔をあわせる人同士がグループを作っています。このようなグループでは、各メンバーに対する圧力はかなり強くなるはずです。従って、皆の意見に従わないということ、すなわち、同調しないということにはかなりの勇気がいるわけです。なぜなら、人は自分の所属しているグループから除け者にされるのをいつも恐れているからなのです。
学校における女子生徒のグループを連想させる。NHK総合の朝ドラ「ファィト」での主人公「優」のクラスメートとの関係を連想させる。ブログで作られたグループも同じかも…。ブログの場合は、顔を合わせていないが、しょっちゅう交流しているので近いような気がする。
引き続き次のように書いている。
しかし、自分の意見を支持する人が一人でもいるような場面や、自分が誰だか絶対わからないような場面である時には、多くの人は自主性を失わないで、多数派の意見に対抗できるのだということがわかります。
匿名性の効果はブログのグループには当てはまらないかもしれない。グループから離れれば自主性を取り戻せるかもしれないが、グループの中で、例えば「コメント」欄でグループのメンバーが異論を述べるのは難しいかもしれない。
で、私が「己に正しく」という信念で多数派に従わずに述べているのは、「自分の意見を支持する人が一人でもいるような場面」を作ろうとしているようなものである。もしかしたら誰かの役に立っているかもしれない。
他に書きたいことがあったような気がするが、忘れてしまったし長くなったので、ここまで。
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