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共謀罪を含む改悪組織犯罪処罰法は
【「共謀罪」法 衆参両院議員の投票行動(東京新聞 2017/6/16)】

もんじゅ・西村裁判:被告準備書面

『東京地裁・損害賠償請求事件/被告準備書面(1)の概要』(核燃料サイクル開発機構)を読んで
http://www.jnc.go.jp/news/press/PE2005/PE05041801/be1.html

 「ミニコミ図書館」さんの【もんじゅ 西村裁判を応援する会 ニュース vol.2】 に、「もんじゅ・西村裁判」(高速増殖炉もんじゅのナトリウム漏れ事故の第3回記者会見後に動燃の総務部次長である西村成生さんが亡くなった件に関して西村氏の遺族が核燃料サイクル機構(旧動燃)を相手に起こした損害賠償請求訴訟)における動燃側の主張が載っているサイトのURLがあったので読んでみた。

 『東京地裁・損害賠償請求事件/被告準備書面(1)の概要』の中で反論しやすいのは次の部分のような気がする。

第2    故人が出席した第3回記者会見について
   第3回記者会見に先だって理事長室で行われた打合せにおいて、理事長は、2時ビデオの本社における判明時期が平成7年12月25日であることを再確認した上、出席者に対して、判明時期は12月25日と答えるように指示した。この打合せに出席した故人は、出席者に配布されていた、記者からの質問が想定される13項目の想定質問事項が記載されている文書に、「12/25調査Gr」と記入した。
   第3回記者会見において、故人は「1月10日 本社がビデオ隠しに関与していることが分かった。(机の中から出てきた。)」と説明した。
 しかし、上述のとおり、理事長は2時ビデオの本社における判明時期について12月25日と答えるよう指示し、故人も含めた出席者もこれを承知していたところであり、原告らが主張しているような、動燃が故人に対して「1月10日」と回答するよう強制したなどという事実はない。
 なお、第3回記者会見中に故人が「1月10日」との発言を訂正した事実はない。また、故人とともに記者会見に出席していた理事は、疑問に思ったものの、記者会見の冒頭、特別調査チーム員である故人に説明させることで理解を求めたことから、特別調査チーム員でもない自分が特別調査チーム員である故人の発言を訂正すれば、記者会見は大混乱すると考え訂正しなかった。同じく記者会見に出席していた広報室長も、疑問に思ったものの、同室長は先に会見場所に来ていたため、理事長室での打合せ以降、自分が出席していないところで「1月10日」とすることとなったのかと考え、理事同様、故人の発言を訂正しなかった。
(『東京地裁・損害賠償請求事件/被告準備書面(1)の概要』)

 まず、被告の『判明時期は12月25日と答えるように指示した』が正しいことは証明できるのだろうか。物的証拠で証明できない場合は裁判官が証言などから判断するのだろう。正しくないことを原告が証明できれば良いが、物的証拠があるとしてもそれは被告側が握っているから難しいかもしれない。被告側に原告が正しいことを証明する物的証拠があれば提出を求めたいが、被告側は「ない」と主張して提出しないだろう。
 『被告準備書面(1)の概要』の第2の4を読むと、物的証拠はもしかしたら『動燃広報室から送信され科学技術庁のFAX機が受信した文書(13項目の記者からの質問が想定される事項について回答が記載されている文書)』なのかもしれない。この文書は記者会見前に西村氏の手に渡った文書だろうか。そうだと仮定して考えてみる。この第6項の回答欄に『12/25(月)である。 1/10頃』と書いてあるらしい。被告側は『FAX受信後に加筆したものと考えられる』と主張している。誰が加筆したかは不明のようだが、西村氏でないとしたら、記者会見で「1月10日」が使われることを西村氏以外の誰かが知っていたことになりそうである。筆跡鑑定などで誰が加筆したかを明らかにする必要があるだろう。西村氏が加筆したとしたら、なぜ加筆したのかを明らかにした方が良い。FAXでは他人の手に渡り得るので秘密を守るために『12/25(月)』と書いておいたが、実は打ち合わせの時に口頭で『1/10頃』に発言を変えるように指示されていたのかもしれない。それを西村氏が忘れないように加筆したことも考えられる。また、記者会見後に加筆した可能性も排除できない。FAX送信前に加筆したか受信後に加筆したかはインクを見ればすぐに分かるだろう。送信前であればインクが同じだが受信後であればインクが異なる。この件に関して被告側は次のように主張している。

 ただ加筆した者が誰であるにせよ、記者会見に際しての問答用に加筆したものではないことは、「1/10頃」を追記したにとどまり、「12/25(月)である」との記載を削除していないこと、同様の質問である第8項の「本社に2時ビデオが存在していたことが判明したのはいつか。」との質問に対する回答にある「12/25(月)である」との記載については全く付加訂正がされていないことからも明らかである。
(『東京地裁・損害賠償請求事件/被告準備書面(1)の概要』)

 記者会見の問答用に加筆したものでないことは、明らかではない。メモであれば『「12/25(月)である」との記載を削除』する必要はないし、第8項の回答欄に加筆する必要もない。また、もしもFAX送信前に加筆されていたり、受信後でも西村氏以外の人が記者会見前に加筆していたら、記者会見の問答用に加筆した可能性が高い。

 【もんじゅ 西村裁判を応援する会 ニュース vol.2】によると原告は記者会見の『録音テープ・会見録』を求めているようだが、被告は2回目の会見議事録以外の提出を拒んでいるらしい。その2回目の議事録も『冒頭が不自然にカットされている』らしい。記者会見の録音テープや議事録で『判明時期は12月25日と答えるように指示した』が誤りであることが分かるとは思えないが、提出を拒んでいたり『冒頭が不自然にカットされている』ということなら、不自然なので被告側に不都合なことが記録されているのかもしれない。
 録音テープではなくて、もしも記者会見の映像が残っていたら、西村氏が「1月10日」と発言した時の同席した人たちの様子が分かるかもしれない。人間の自然な反応として、西村氏が誤った発言をしたら、「えっ、違うだろ?」という顔になるはずである。全く無反応で「その通り」という態度だったら、同席した被告側の人たちは西村氏が「1月10日」と発言することを記者会見前に知っていた、と推察できる。被告側は西村氏の発言を訂正しなかった理由を上記引用部分のように述べているが、事の重大性を考えれば不自然な理由である。また、そのような理由であったとしても、困惑の表情が見られたはずである。西村氏に耳打ちするくらいのことはしただろう。【もんじゅ 西村裁判を応援する会 ニュース vol.2】にあるように『訂正の会見などが行われていない事実を考えると』不自然である。西村氏が内部調査のプロジェクトチームのメンバーに過ぎず責任者ではないのなら、責任者が訂正会見を行えばいいし、「1月10日」発言直後に誤りを指摘するメモを西村氏に渡すのが自然なように思われる。それらを行わなかったのだから、被告側は「1月10日」という発表を容認していたと考えられる。

 そもそも、西村氏が「1月10日」と発言した理由がさっぱり分からない。その場合、命令されて発言したと考えるのが自然なように思われる。

 被告側の『被告準備書面(1)の概要』を読んで思いついたのは、今の所、これくらいである。

 さて、この裁判は安全配慮義務違反を訴える形である。被告側は『被告釈明書の概要』で次のように述べている。

5 訴状記載の「安全配慮義務違反を基礎づける事情」に対する認否
 被告としては、当該部分については、いまだ認否の要を見ない。
 原告らは、「仮に現段階で不分明であるとしても、事実関係が明らかになることによって、明確になることがはっきりしている。」などとするが、そもそも、原告らは、動燃に安全配慮義務違反があるとして本件訴訟を提起したのであり、審理過程で事実関係を把握してこれを請求原因事実として構成するなどというのは、まず、訴訟を提起し、その後に請求原因を考え構成するというものであり、本末転倒である。
(『東京地裁・損害賠償請求事件/被告釈明書の概要』)

 これについてはよく分からないが、西村氏の死が「自殺」だと仮定して、もしも「1月10日」と発言したことが原因で自殺したとしたら、記者会見の最中や直後に訂正しなかったことが問題だと思われる。すぐに訂正すれば西村氏は自殺しなかった可能性が高い。ただ、これが安全配慮義務違反になるかどうかは素人の私にはよく分からない。また、もしも「1月10日」と発言することを強制していたとしたら、その強制がなければ自殺しなかった可能性が高い。これなら被告の責任は明らかである。ただ、それが安全配慮義務違反かどうかは、よく分からない。
 自殺の原因が心労を伴う過労だとしたら、安全配慮義務違反になるような気がする。
 西村氏の死が「他殺」で、被告の関係者以外が加害者だとしたら、殺される虞があったにもかかわらず守るような対応をしなかった場合に安全配慮義務違反になるのだろうか。これもよく分からない。
 西村氏の死が「他殺」で、被告の関係者が加害者だとしたら、安全配慮義務違反以前の問題である。加害者が被害者の安全を配慮するわけがない。

 以下は「もんじゅ・西村裁判」に関するこれまでの私のブログ内の記事

  【もんじゅ・西村裁判:原告陳述書】
  【もんじゅ事故:血の跡がない】
  【もんじゅ事故:他殺の自殺化?】


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